遺言書が無い場合、遺産はどうやって相続するの?その方法とは?

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「遺産相続で、親族がもめて収拾がつかなくなった」などという事態は、資産家の家だけに起こる話だと思っていませんか?
それは違います。
たとえごく普通の家でも、遺産相続でトラブルは起こるのです。
特に、遺言書が無い場合に起こりやすいでしょう。
そこで、今回は故人が遺言書を残さなかった場合、遺産分割はどのように行われるかということをご紹介します。
遺産の分割方法は法律によって決められているのです。
では、なぜトラブルが起こるのでしょうか?
答えは、この記事を読めば分かりますよ。

目次

  1. 遺産分割って何?
  2. 相続争いはなぜ起こる?
  3. 相続争いが起きないための方法とは?
  4. おわりに

1.遺産分割って何?

遺産というのは、故人が遺(のこ)した金銭価値のあるもののことです。
現金や有価証券などのほかに、土地や建物なども故人の名義になっていれば遺産になります。
また、金銭的な価値がある美術品やコレクターズアイテムなども遺品ではなく、遺産あつかいになることもあるでしょう。
遺産分割とは、このような遺産を「法定相続人」が分け合うことです。
次の項から、もう少し詳しく遺産分割についてご紹介していきましょう。

2.遺言書が無い場合の遺産相続はどうやって行うの?

遺言書とは、故人が生前法律に沿って書いた遺産分割のやり方のようなものです。
遺産相続は法律によってやり方が決まっていますが、遺言書がある場合はその内容が優先されます。
では、遺言書が無い場合はどのように遺産相続が行われるのでしょうか?
この項ではその方法をご紹介します。

2-1.法定相続人に選ばれる人とは?

法定相続人とは、前述したように法律によって決められた遺産を相続できる人です。
故人の配偶者、子ども、親、兄弟などですが、配偶者以外はすべて血族になります。
たとえば、故人の子どもの配偶者などは相続人になれません。
ただし、故人と養子縁組をしていた場合は相続人になれるのです。
故人が結婚しており子どもがいた場合は、配偶者と子どもが法定相続人になります。
故人が独身で子どもがいない場合は、親と兄弟が法定相続人になるのです。
なお、故人が離婚して子どもを配偶者が引き取っていた場合は、その子どもも法定相続人になります。
また、法定相続人になるには、遺産分割を行うときに生存していることが条件です。
子どもがおなかにいるなどという場合は、特別な手続きが必要になります。

2-2.法律で定められた遺産相続の割合とは?

法律では、故人の配偶者や血の近い相続人ほど遺産を多く相続するように定められています。
これを「法定相続」といい、故人に妻と子どもがふたりいた場合は妻に2分の1、子どもにそれぞれ4分の1ずつ相続されるのです。ちなみに、遺産は放棄と譲渡ができます。
遺産の放棄とは文字どおり、遺産を一切相続しないこと。
先ほどのケースを例にとって説明すると、子どものひとりが遺産相続を放棄した場合、配偶者と残りの子どもで遺産を2分の1ずつ相続します。
遺産の譲渡とは、自分が相続するべき財産を法定相続人に譲ることです。
たとえば、子のひとりが配偶者へ財産を譲渡した場合、配偶者は遺産の4分の3を相続します。

2-3.遺産はどうやって分割相続するの?

故人の遺産がすべて現金の場合は、相続はとても簡単です。
法律で決められた割合で分割すればよいでしょう。
しかし、多くの場合すぐに換金できない不動産が遺(のこ)されたり、借金などの負の遺産があったりします。
そこで、法定相続人が集まって遺産の相続分を相談することが多いのです。
これを「協議分割」といいます。
たとえば、故人名義の家が遺産として残されたけれどそこに配偶者が住んでいるという場合は家と土地を配偶者が相続し、現金を子どもが相続するという風にしてもよいのです。
法定相続人すべてが納得すれば、法律に従わなくてもかまいません。

3.相続争いはなぜ起こる?

相続争いは、法定相続人が自分の相続する遺産の額や内容に納得できないときに起こります。
たとえば、子どものうちひとりだけが両親の介護をずっと無償で行ってきた場合、「ほかの兄弟と遺産を平等に分けることに納得がいかない」ということもあるのです。
また、美術品など価値が不明なものを「遺品」として形見分けした後に価値が分かった場合も、争いが起こりやすいでしょう。
さらに、遺産が土地と建物だけだった場合は売却をするかしないかでもめることもあります。
「うちの家族はみんな仲がよいから大丈夫」と思っている方もいるでしょう。
しかし、お金が絡むと人が変わるケースは少なくありません。
協議分割がうまくいかない場合は、裁判になることもあります。

4.相続争いが起きないための方法とは?

では、相続争いを防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?
最後に、その方法の一例をご紹介します。

4-1.遺言書を作成しておく

遺言書を作成しておけば、遺産相続がスムーズに行きやすいです。
「自分には残すような遺産が無い」と思っている方もいますが、家や車も立派な遺産になります。
遺言書は、法律によって書き方が決まっているのです。
今は、「遺言書の書き方講座」などが開かれていますから、参加してみてはいかがでしょうか?
また、「お気に入りの親族にたくさん遺産をあげたい」という気持ちも分かります。
しかし、不公平すぎる遺言は争いの元になるのです。
それに、法定相続人は法定相続の分を請求できる権利があります。
ですから、介護をしてくれた方やあまり手をかけてあげられなかった子どもに、少し多めに遺産を渡すくらいがちょうどよいでしょう。
できれば、遺言書は法定相続人全員に確認してもらうとよいですね。
死後にならないと公開できないわけではありません。

4-2.財産をはっきりとさせておく

個人的な財産は、たとえ配偶者であっても知らないことがあります。
ですから、ある程度の年齢になったら自分名義の通帳や有価証券などの一覧を作っておきましょう。
また、借金も負の遺産です。
ローンも借金になりますので注意してください。
住宅ローンは多くの場合名義人が亡くなれば保険金で相殺されます。
しかし、車などのローンは遺産を相続した人が引き継ぎますので気をつけましょう。
また、価値が分かりにくい美術品やコレクターズアイテムは、目録を作っておくとよいですね。
受け継ぐ人が法定相続人の中にいない場合は、本人が元気なうちにコレクター仲間に譲っても後でもめごとが起こりにくいでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、遺言書が無い場合の遺産分割の方法についてご紹介しました。
まとめると

  • 遺言書が無い場合は。法律に沿った法定相続を行う。
  • 法定相続人は、配偶者と養子以外は、すべて血縁者である。
  • 離婚をしてはなればなれになった子どもがいた場合は、子どもも法定相続人になる。
  • 協議分割で話し合いがまとまらない場合は、裁判になる場合もある。

ということです。ちなみに、遺産を放棄する場合は故人の死を知って3か月以内に手続きしなければなりません。
それを超えてしまうと、自動的に法定相続人に財産が相続されてしまいます。
ですから、故人の財産をすべて法定相続人が知らないと、トラブルの元になるのです。
財産を明らかにするという意味でも、遺言書は作成しておきましょう。
弁護士や司法書士なども相談に乗ってくれます。
また、遺言書は何度も書き直せますので、時間をかけて作っていってもよいでしょう。