遺言書の書き方は? 作成する際の注意点とプロに相談する方法

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遺言書を書こうと思っても何から書けばいいのか分からない方が多いと思います。適当に書いてしまうと遺言書が無効になってしまうので、きちんとポイントを押さえて書き進めることが大切です。

本記事では、遺言書を作成する前に確認すべきことや基本的な書き方などについて解説します。

  1. 遺言書はどんなもの?
  2. 遺言書を作成する前に確認すべきこと
  3. 遺言書の書き方と作成する際の注意点
  4. 遺言書の作成をプロに相談する方法
  5. 遺言書に関してよくある質問

この記事を読むことで、正しい遺言書の書き方やポイントが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。


1.遺言書はどんなもの?

最初に、遺言書とはどのようなものなのか基本項目をチェックしておきましょう。

1-1.遺言者の意思を書き記したもの

遺言書を簡潔に説明すると、遺言者の意思を書き記したものです。自分が生涯をかけて築き上げた財産を、いなくなった後でも有意義に活用してもらうための書類でもあります。どんな遺産をどのように使ってほしいのか、誰に相続してほしいのか自分の意思を書き留めることができ、安心して財産の行方を委ねられるものです。ただし、法的に有効な遺言書を作成しなければ、無効になってしまうケースがあります。法的に無効と判断されれば、遺言書どおりにならなくなるので気をつけましょう。

1-2.遺言書のメリットは相続トラブルの防止

遺言書の大きなメリットは、相続人同士での争いが避けられる点です。遺言書がない場合、法定相続人が遺産分割について話し合う分割協議を行うことになります。分割協議は、相続人全員が参加し、同意を得ることが基本です。そのため、1人でも合意しなければ話し合いが続き、いずれは相続トラブルに発展してしまいます。大切な家族で争ってほしくない気持ちがあれば、遺言書をしっかり作成することが大切です。

1-3.遺言書は主に4種類

遺言書は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言・特別方式遺言の4種類があります。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

1-3-1.自分で作成した「自筆証書遺言」

自筆証書遺言は、自分で作成した遺言書のことです。基本的に、誰にでも作成できますが、様式が厳格に定められているため、少しでも内容を間違えてしまうと無効になってしまいます。また、紛失・偽造・変造というリスクもあるので気をつけなければなりません。

1-3-2.公証人に作成してもらう「公正証書遺言」

公正証書遺言は、公証人に作成してもらい、公証役場で保管してもらう遺言書です。公証人に作成してもらうという点で自筆証書遺言とは違い、様式を誤り無効になる心配はありません。公証役場で保管してもらうため、偽造されたり紛失や変造されたりする恐れもないのです。

1-3-3.遺言書の存在が証明できる「秘密証書遺言」

秘密証書遺言は、自分で作成した遺言書を公証役場に持参し、「その人が書いた遺言書が存在すること」を証明してもらった遺言のことです。公証人による証明があるため、遺言者本人が間違いなく作成したという証明ができます。証明をつけてもらった後は、自分で保管するか、誰かに保管してもらうことになるでしょう。

1-3-4.一時的に作成される「特別方式遺言」

病気や災害等で死んでしまうかもしれないという緊急の際に、一時的に作成される遺言のことを特別方式遺言と言います。正式な遺言書が作成できないときの緊急的な措置として作成するため、作成できる状況に戻り6か月間生存した場合は効力がなくなる遺言書です。

2.遺言書を作成する前に確認すべきこと

遺言書を作成する前に、ぜひ確認してほしいことを紹介します。

2-1.無効になるケースを把握する

まずチェックしてほしいのは、遺言書が無効になるケースを把握することです。自筆証書遺言の場合、自筆で書かれていないと無効になる可能性があります。たとえば、パソコンやワープロなど自筆でない遺言書はアウトです。ただし、秘密証書遺言はワープロでも作成でき、公正証書は代筆でもOKとなります。遺言書の種類によって無効となるケースが異なるため、注意してください。
また、病気などで体力が落ちているときに手書きの文章を書くのは困難なので、体が元気なうちに書き留めることも大切です。ほかにも、無効になるケースがあるため、法律に詳しい弁護士と相談しながら作成しましょう。代表的なケースは以下のとおりです。

  • 遺言書に日付がない
  • 加筆・修正の手順間違い
  • 不明確な遺言書
  • 他人の意思の介在が疑われる場合

2-2.相続財産を改めて確認する

遺言書を書き始める前に、相続財産を改めて確認することが大切です。自分がどんな財産をどのくらい持っているのか把握することで、相続人にとっても分かりやすい遺言書が作成できます。所有していた財産の中には、何年も前に他人に譲っていたり、生前分与をしたりしているものもあるでしょう。実際にないものを遺言書の中に記載してしまうと、相続トラブルの火種になってしまうので要注意です。そして、財産目録を作成したら、誰にどの財産を譲るのか考え明確にしてください。

2-3.遺言書作成のルールと注意点を把握する

遺言書の種類によって、作成ルールと注意点が異なります。自分がどの種類の遺言書を作成するか決めた後は、作成のルールと注意点をしっかりと把握することが大切です。ただ、素人では何を書けばいいのか、どんな書き方にすればいいのか分からないところもあるでしょう。そんなときは、法律のプロでもある弁護士に相談するのも方法の1つです。

3.遺言書の書き方と作成する際の注意点

ここでは、遺言書の書き方と作成する際の注意点を解説します。

3-1.必ず記載しなければならない項目

自分で遺言書を作成する場合、必ず押さえておきたいポイントは以下の3つです。

  • 自筆で記載する
  • 署名・押印する
  • 作成日を記載する

上記の3点は忘れずに必ず記載してください。そして、遺言者が氏名を書いた上で押印をすることが大切です。署名は必ず遺言者1名のみとされており、遺言者本人のものか分からない拇印(ぼいん)は使用しないようにしましょう。さらに、自筆証書遺言には必ず作成日を記載しなければなりません。

3-2.基本フォーマットを利用する

一般的に、遺言書を作成する際は、基本フォーマットを利用します。インターネットで「遺言書 基本フォーマット」と検索すれば出てくるでしょう。法律事務所などのサイトでもダウンロード可能なところがあります。基本的な記載項目は以下のとおりです。

  • 表題:遺言書であることを記載する
  • 相続人の氏名:戸籍どおりに記載する
  • 相続内容:財産を渡すことは「相続させる」とハッキリ記載すること
  • 付言事項:自分の希望などを記載する
  • 作成日など

3-3.公正証書遺言は公証人役場で作成する

公正証書遺言を作成する場合は、証人2人以上の立会いのもと、公証人役場へ出向くことになります。遺言者が遺言の内容を公証人に後述し、公証人がその口述を筆記する流れです。遺言書は自筆が基本と前述しましたが、公正証書遺言の場合は別となります。筆記した内容を再び証人が遺言者に読み聞かせ、正確なことを承認した上で各自が証明・捺印、そして公証人が手続きに従い署名・捺印をすれば完了です。

3-4.訂正方法に気をつける

遺言書の内容を訂正する場合、正しい方法があるので注意してください。訂正した場所に押印をして正しい文字を記載した上で、どこをどのように訂正したのか余白などに記載する必要があります。そして、記載したその場所に、さらに署名をしなければなりません。まとめると、訂正方法は以下の流れとなります。

  1. 訂正したい箇所に二重線等を引く
  2. 二重線の上に押印する
  3. その横に正しい文字を記載する
  4. 遺言書の末尾などに「○行目○文字削除○文字追加」と自筆で追記する
  5. 追記した文字に署名する

4.遺言書の作成をプロに相談する方法

自分で作成するのが不安な場合は、プロに相談するのも選択肢の1つです。ここでは、プロに相談する際のポイントをチェックしましょう。

4-1.弁護士と相談しながら作成する

遺言書の作り方は、種類や自分の要望によって異なります。遺言者が亡くなった後の財産の行く末を記載する大切な書面でもあるため、弁護士と相談しながら作成するのが1番安心です。相続人のためを思って残した遺言書が無効にならないようにするためにも、法的な効力や正しい作り方について知っている弁護士に相談してください。自分の要望を伝えながら、法的に効力のある遺言書を作成しましょう。

4-2.作成した遺言書を保管してもらうこともできる

せっかく作った遺言書の存在を知られないまま相続が進められるケースがあります。そのような状態にならないよう、家族には遺言書があること、その保管場所を伝えておくことが大切です。ただし、保管場所を伝えておくと改ざんされる恐れがあります。そんなときは、弁護士など法律の専門家に保管を依頼することも可能です。第三者に預けておけば、改ざんされる恐れもないため、安心して保管できるでしょう。

4-3.財産分与がしやすいように身辺整理も必要

遺産や遺品が多すぎると、相続トラブルになりやすく、家族の負担も増えます。また、誰にどの遺産を与えるのか分かりにくくなってしまうでしょう。そのため、遺言書でハッキリと意思を示すためには身辺整理も必要です。この機会に、身のまわりにあるものを整理整頓してみてはいかがでしょうか。生前整理を行うことで、いなくなったときの家族にかかる負担を減らし、自分も快適に過ごすことができます。

5.遺言書に関してよくある質問

遺言書に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.秘密証書遺言の書き方は?
A.基本的に、自筆証書遺言の書き方と変わりませんが、公証役場に持参する際は証人2名以上が必要となります。遺言書を入れた封筒を押印と同じ印で封印しなければなりません。その際に、証人も封筒に署名と押印を行うことになります。自筆証書遺言とは違い、パソコンで作成したり、作成日が記載されていなかったりしても無効になりませんが、訂正の方法を間違えると無効になるケースがあるので要注意です。

Q.特別証書遺言の書き方で注意しておきたいことは?
A.特別証書遺言は、状況によって作成方法が異なるのが注意しておきたい点です。たとえば、病気等で死期が迫っている場合は、証人3人以上の立会いのもと、証人の1人に遺言者が口頭で遺言の内容を伝えます。そして、証人がこれを記載する方法で作成する流れです。ただし、伝染病で隔離されている場合は、警察官1人および証人1人以上の立会いが必要となります。

Q.遺言書に記載する際に気をつけておきたい言葉は?
A.「遺贈する」と「相続させる」の違いを明確に理解しておかなければなりません。「相続させる」は法定相続人に財産を移転させることですが、「遺贈する」は法定相続人に対してもそれ以外の人や団体に対しても可能です。また、相続させると記載することで不動産登記がスムーズになり、登記がなくても相続債権者に対抗できるメリットがあります。借地権や借家権について賃貸人の承諾も不要になるのです。

Q.公正証書遺言を作成する際に必要な資料は?
A.遺言者本人の印鑑登録証明書や、遺言者と相続人との続柄が分かる全部事項証明書(戸籍謄本)などが必要になります。財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票も必要です。具体的な必要書類や資料に関しては、公証役場に尋ねるといいでしょう。遺言書を作成する前に、必要なものを準備することも大切です。

Q.生前整理をスムーズに進めるコツは?
A.自分1人では作業が大変な場合、プロの業者に依頼するといいでしょう。たとえば、遺品整理ファンデックスでは、生前整理サービスを行っています。不用品の片付けや回収・買取も行っているため、時間と手間をかけずにスピーディーに進めることができるでしょう。無料見積もりや無料相談も受けつけているので、ぜひ1度ご相談ください。

まとめ

遺言書はきちんと書かなければ、後で無効になってしまう恐れがあります。実際に、必要な事項が書かれていなかったため、無効になり、遺言書としての効力がなくなってしまったケースもありました。そのようにならないためには、遺言書の書き方をしっかりつかむことが大切です。素人では理解しにくい部分もあるため、法律のプロに相談するのも方法の1つでしょう。きちんと注意点を把握しておけば、有効な遺言書を作ることができます。