【徹底解析】代襲相続とは? 代襲相続人の範囲や方法などについて

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親が亡くなったとき、子どもなどの相続人は相続手続きを行わなければなりません。相続にはさまざまな方法がありますが、遺言所の偽造や破壊など、相続人として認められない場合は「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」が発生します。しかし、基礎知識を把握しておかなければ、遺産相続に関して親族との間でトラブルが起こる可能性もあるのです。代襲相続をスムーズに進めるためには、きちんと知識を身につけておかなければなりません。そこで、本記事では、代襲相続の基礎知識や相続人・該当するケースと該当しないケース・方法について説明します。

  1. 代襲相続の基礎知識
  2. 代襲相続の相続人とは
  3. 代襲相続になるケース
  4. 代襲相続にならないケース
  5. 代襲相続の方法について
  6. 代襲相続に関してよくある質問

この記事を読むことで、代襲相続をスムーズにするために必要な情報と知識を身につけることができます。ぜひ参考にしてください。


1.代襲相続の基礎知識

代襲相続を行うためには、基礎知識を身につける必要があります。一体どのような内容の相続なのか、通常の相続との違いや注目された背景・最近の傾向についてチェックしておきましょう。

1-1.代襲相続とは

民法887条において、代襲相続とは、「推定相続人である被相続人の子または兄弟姉妹が相続の開始以前に死亡、廃除、相続欠落により相続権を失ったときに、その者の子がその者に代わって相続すること」です。
被相続人は財産を遺す人、相続人は財産を相続する人・受け取る人となります。そして、代襲者は、相続人が亡くなったり、何かしらの理由で相続権を失ったりしたとき、相続人の次に遺産を受け継ぐ人のことです。主な代襲者は、相続人の子どもとなります。
また、代襲者が相続開始以前に相続権を失っているときは、代襲者の子どもがさらに代襲して相続する仕組みです。分かりやすく説明すると、子どもが被相続人である親よりも先に死亡している場合、孫が代襲相続人となります。

1-2.通常の相続との違い

一般的な相続は、親が亡くなったときに、財産を子どもが包括的に継承することを指しています。財産を受け継ぐことができる人(相続人)は、民法によって、配偶者と血液相続人と定められているのです。血族相続人に関しては順位があり、第1順位の相続人は被相続人の子ども、もしくはその代襲相続人となる直系卑属となります。直系卑属とは、自分より前の世代(父母や祖父母など)で、直通する系統の親族のことです。第1順位の相続人がいない場合は、被相続人(遺産を遺す人)の両親が相続人となり、被相続人の兄弟姉妹も対象となります。
一方、代襲相続は、相続人となる者が相続開始以前に死亡したり、一定の事由によって相続権を失ったりした場合に発生する相続です。たとえば、被相続人(遺産を遺す人)または相続人(遺産を受け取る人)を死亡させようとしたり、詐欺や脅迫で遺言書の内容を取り消させたりすることが当てはまります。相続権を持つ相続人が存在しているか、相続権を持っているのかによって異なるのです。

1-3.注目された背景・最近の傾向

本来、相続人ではない人物が遺産の相続が可能になるということで、代襲相続の注目度があがりました。また、遺言に相続人の旨が記載されていても、何かしらの理由でその人が亡くなっている場合、遺産が誰にわたるのかトラブルになるケースがあります。トラブルを防ぐためにも、代襲相続を行うことがあるのです。しかし、最近は、兄弟姉妹が相続人となるケースで、相続する権利者が多数になり複雑になるという問題があがっています。

2.代襲相続の相続人とは

代襲相続の相続人に当てはまる範囲は、どこまでなのでしょうか。

2-1.法定相続人とは

民法で定められた人のことを法定相続人といいます。具体的には、被相続人の配偶者・子ども・父母・兄弟です。被相続人の配偶者は必ず法定相続人になり、子ども・父母・兄弟の場合はなれる順番が決まっています。第1順位が子ども、第2順位が父母、第3順位が兄弟です。

2-2.代襲相続の範囲は?

代襲相続の場合、代襲相続人となる範囲を確認しておかなければなりません。代襲相続が認められる人の範囲は、民法によって定められています。代襲相続人は、「亡くなった相続人の直系卑属」「亡くなった相続人の兄弟姉妹の子」です。直系卑属としては子や孫、兄弟姉妹の子では甥(おい)や姪(めい)が当てはまります。そのため、養子縁組みをしていない養子やその連れ子は、被相続人の直系卑属にはなりません。

3.代襲相続になるケース

代襲相続になるケースは、相続人が亡くなっている場合です。遺言書に記載されている相続人でも、この世にいない場合は代襲相続人が遺産を受け継ぐことになります。また、相続の開始以前に廃除、相続欠落により相続権を失ったときも、代襲相続になるでしょう。相続人の廃除は、被相続人が相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりしたときに、家庭裁判所に請求して相続権を奪うことです。相続欠落となる場合は、相続人が被相続人の生命を侵害するような行為をしたり、脅迫で遺言書を修正させようとしたりするケースがあります。これらは、法定相続人としての権利がはく奪される可能性があるのです。

4.代襲相続にならないケース

代襲相続は、どのようなケースが該当するのか、相続放棄についても詳しくチェックしておきましょう。

4-1.どんなケースか

基本的に、代襲相続は相続人が亡くなったときや相続権がはく奪されたときに発生する相続です。つまり、相続人に相続権があれば、代襲相続は発生しません。
たとえば、被相続人となる親が相続人の子どもから殺されそうになったり、虐待を受けたりしたときは、家庭裁判所へ相続の欠落を申請することができます。受理されれば、その子どもは親から遺産を受け継ぐことができません。その結果、相続権を失った子どもの子どもが、代襲相続として受け継ぐことになります。

4-2.相続放棄について

被相続人の子ども(相続人)が相続放棄をした場合、相続権は被相続人の直系卑属(父母や祖父母など)に移ります。つまり、被相続人の子ども(相続人)が相続放棄をしても、被相続人の直系卑属(孫など)が代襲相続するわけではありません。
相続破棄とは、名前のとおり、相続を破棄することです。借金などのマイナスの財産が明らかに多い場合や、相続争いなどに巻き込まれたくない場合に、相続廃棄を選択します。相続放棄を選択する場合は、各相続人が相続人になったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に対して「相続放棄申述書」を提出しなければなりません。そして、家庭裁判所に認められれば、相続放棄申述受理通知書が交付されて、相続放棄が成立となります。相続放棄をした場合、代襲相続はできません。

5.代襲相続の方法について

では、代襲相続の方法はどのようにすれば良いのでしょうか。相談窓口や方法・注意点などについて説明します。

5-1.相談窓口

代襲相続に関して疑問点や悩みを抱えている場合は、専門家に相談すると良いですよ。たとえば、法律のプロである弁護士は、相続問題について取り扱っているところが多いでしょう。無料相談を受けつけているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。また、「遺産相続無料相談センター」というサイトでも、無料相談を受けつけています。1人で悩み続けるよりも、専門家に相談したほうが、スムーズな解決ができるでしょう。

5-2.方法について

誰が相続人であるかの判断を誤らなければ、後は通常の遺産分割による相続登記と同じ手続きです。まずは、代襲相続人を含めた相続人全員で遺産分割協議を行います。協議結果に基づき、相続登記を行わなければなりません。基本的に、遺産相続の手続きは、亡くなった人の住所地を所轄する税務署で行います。遺産分割協議書を作成する際は、特に代襲相続人である旨を記載する必要はないので安心してください。具体的な方法が分からない場合は、弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

5-3.メリット・デメリット

代襲相続の主なメリットは、死亡の順序によって、相続の可否が変わらないことです。代襲相続の制度がなければ、被相続人が亡くなる前に相続人Aが亡くなった場合、その子どもBは相続人Aが持っていた財産しか相続できず、被相続人の財産が相続できません。しかし、代襲相続があることで、被相続人と相続人Aどちらとも亡くなった場合、相続人の子どもであるBは両者の財産が取得できるのです。たとえ、先に相続人が亡くなったとしても、死亡順序関係なく、相続人が相続できる財産を受け継ぐことができます。
そして、デメリットは、遺産相続をめぐる争いに巻き込まれるおそれがあることです。代襲相続人となる者は、被相続人の孫やひ孫・兄弟姉妹の子も当てはまるため、多数の代襲相続人が存在し、複雑になります。年齢や家庭環境によって、権力を持っている人が財産の譲渡を主張することもあるでしょう。中には、幼い子どもも巻き込まれる可能性があります。

5-4.注意点

代襲相続が発生する場合、代襲相続権を持つ人もすでに死亡していた場合は、その子どもがさらに代襲相続人となって遺産を引き継ぐことになります。これを「再代襲」という制度です。ただし、被相続人の甥・姪の子どもは代襲相続ができません。なぜなら、一般的に曾祖父母(そうそふぼ)とひ孫の関係と比べて、叔父と甥・姪の関係が薄いことが多いからです。そこまで、相続関係を広げる必要性はないという考え方があります。

5-5.そのほか

代襲相続は、関係が上の者に対しては相続が発生しないのが基本です。通常の相続の場合は、親が先に死亡して祖父母が生きていたとすると、祖父母は第2順位の相続人となります。しかし、代襲相続人としては認められないので注意してください。代襲相続において、被相続人の親は相続できません。

6.代襲相続に関してよくある質問

代襲相続に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。検討している方は、ぜひチェックしてくださいね。

6-1.代襲相続に必要な書類とは?

遺産分割協議書・被代襲者の出生から死亡までの戸籍・代襲相続人全員の戸籍が必要です。戸籍は本籍のある自治体で管理しているため、申請すれば書類が手に入ります。必要な書類を準備する前に、被相続人の遺産を明確にしておかなければなりません。遺産に何があるのか調べた後、戸籍をすべて取り寄せて相続人が誰であるかを特定します。相続人全員で遺産を誰が、どのくらい相続するのか決めてから、遺産分割協議書を作成し、手続きを済ませてください。

6-2.数次相続との違いは?

代襲相続とよく間違えられる相続に「数次相続」があります。数次相続とは、被相続人の遺産分割が終了する前に、相続人が死亡してしまい、その地位を相続人の法定相続人が引き継ぐ状態のことです。たとえば、被相続人である父が死亡し、相続人が母と兄の2人だとします。相続について何も決まっていない状況で、相続人の1人である母が死亡してしまうような状態が、数次相続です。

6-3.代襲相続の遺留分とは?

遺留分とは、遺言の内容に関係なく、一定の相続人に最低限の遺産の取り分を保障する制度のことです。代襲相続の場合、民法では、配偶者・直系卑属(子どもや孫)・直系尊属(父母や祖父母)が、遺留分が認められる人となっています。さらに、代襲者の遺留分は、被代襲者の割合と同一です。代襲者が複数いる場合は、人数で頭割りすることになっています。相続人の組合せによって、遺留分の割合が異なるのです。

6-4.代襲相続が発生した場合の相続分が知りたい

代襲相続人の数や状況などによって異なるでしょう。たとえば、相続人に子どもが2人いて、その子ども2人が代襲相続をする場合、相続人(親)が相続すべきだった割合をそのまま2人で2等分することになります。また、相続人(親)の子ども2人のうち1人が亡くなっている場合は、亡くなった子どもの子ども(相続人の孫)が遺産を引き継ぐことになるのです(再代襲)。

6-5.代襲相続をスムーズにするために、被相続人がすべきこととは?

代襲相続をスムーズに進めるためには、身のまわりにあるものを整理しなければなりません。できるだけ、要らないものを処分して整理整頓しておけば、遺(のこ)された家族の負担を減らすことができます。遺産が明確にならなければ、代襲相続を進めることができません。不用品を処分する場合は、価値あるものや遺産となるものを分けて、要らないものを捨てていきましょう。不用品が大量にある場合は、不用品回収業者である「ファンデックス」を利用してください。
また、遺品整理に悩んでいる方も、業者に依頼すれば代行サービスとして整理・処分をしてくれます。

まとめ

いかがでしたか? 代襲相続は、普通の相続とは異なり、相続人が亡くなったり、相続権が破棄されたりしたときに発生する相続です。相続すべき相続人がいないため、その子どもなどが代襲相続人となって遺産を受け継ぐことになります。ただし、代襲相続人の数が多すぎて、複雑化してしまい、遺産相続のトラブルになるおそれもあるのです。トラブルを未然に防ぐためには、代襲相続にかんする知識を身につけておかなければなりません。代襲相続人の範囲や方法などをきちんと把握して、手続きを済ませてくださいね。