セルフネグレクトとは? 症状や原因、対処するためのポイントを解説!

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セルフネグレクトは、ゴミ屋敷問題や孤独死問題などの大きな社会問題の根底にあるものです。生活がいよいよ対処しにくく複雑になっている最近、家族のだれかがセルフネグレクトの傾向を持つため悩んでいるケースも増えています。実際のところ、セルフネグレクトは決して他人(ひと)ごとではなく、だれもが関係するような原因が潜(ひそ)んでいるのです。それでは、セルフネグレクトについてしっかり確認し、どうすれば自分や家族がセルフネグレクトにならないよう守ることができるのかを考えてみましょう。

  1. セルフネグレクトとその症状
  2. セルフネグレクトの原因
  3. セルフネグレクトの対処法

1.セルフネグレクトとその症状

1-1.セルフネグレクトって何?

セルフネグレクトという言葉の直接の意味は「自分自身への怠慢(たいまん)」となります。セルフネグレクトは、一般に「自己放任」とも呼ばれていますが、簡単に言うならば自分への関心がなくなるということです。自分に関心がなくなると、すぐに日常生活に支障がでてきます。人間関係は希薄(きはく)になり、何に関しても投げやりになってしまうのです。普通であればだれもが持つような自分を満たすための欲求も感じなくなり、社会からも疎外(そがい)されていきます。頑固さも特徴のひとつですが、頑固な人でも自分の好むことは行うものです。生活面で自分を大切にしない傾向があれば、セルフネグレクトを疑ってみる必要があるでしょう。

1-2.セルフネグレクトの症状

セルフネグレクトの症状としてまず顕著(けんちょ)なものは、自分のために行うべき身の回りのことを行わなくなるという点です。定期的で健康的な食事をとることもなくなり、食欲自体がないように見えます。また、風呂やシャワーといった清潔さへの関心も薄れ、洗濯していない服をずっと着ていることも観察されるでしょう。家の掃除も行わなくなり、いわばゴミ屋敷のようになっていきます。同時に、状況を改善するための手助けやアドバイスを頑固に拒絶することも共通している傾向です。このように症状が悪化しても支援を断ることが多いため、悪循環となってしまいます。

1-3.セルフネグレクトがもたらす結果

セルフネグレクトが進行していくと、アルコール飲料やカップ麺といった健康によくない食生活が中心になるため健康を害することになります。また、家族や友人からの苦情に応じないため、やがて近所や家族に愛想をつかされてしまい、社会から隔絶していくのです。その結果、精神的に不安定な状態が悪化し、家はゴミ屋敷となってしまいます。実際のところ、生じている孤独死の8割は、セルフネグレクトがその原因であると言われているのです。まさに、セルフネグレクトがもたらす影響の深刻さが浮き彫りになっています。

2.セルフネグレクトの原因

2-1.人間関係により引き起こされるセルフネグレクト

それでは、なぜ最近になってセルフネグレクトに悩む人が増えているのでしょうか。まず、セルフネグレクトの原因となるきっかけのひとつは、人間関係の問題です。家族や友人と問題があり、人間不信になることもあるでしょう。離婚や裏切りによる落胆や絶望もその原因となります。また、職を失うことにより、信頼し献身していた会社や上司への怒りや執着心が要因となることもあるでしょう。このような強い落胆が人生をあきらめる気持ちを強めてしまい、セルフネグレクトを引き起こすことになるわけです。

2-2.病気により引き起こされるセルフネグレクト

自分や家族の重い病気によって生活に大きな変化が生じることが原因となることもあります。以前にできたことができなくなり、その変化に順応できないこともあるでしょう。または、認知症の傾向や心の病(やまい)がうつの傾向を引き起こすことも多いようです。うつや精神疲労が原因の場合は、周りの理解が薄いことや、自分自身が思うように行動できない恥ずかしさなどで症状を重くし、セルフネグレクトにつながることもあります。

2-3.災害により引き起こされるセルフネグレクト

震災や災害によりセルフネグレクトが引き起こされることもあります。大切にしていたものを失った衝撃が、自分の生活への関心を失うことになるのです。震災などにより家族や職を失うこともあるでしょう。または、生活の中心としていたマイホームやお気に入りの車、ペットなどを失ったことがきっかけにもなります。失ったものの大きさに圧倒され、その後の生活への関心を失ってしまうわけです。確かに、そのような状況に面してもしっかりと立ち向かってきた人は大勢います。とはいえ、衝撃的な出来事や大きな落胆が、その後の生活への関心を失わせることになるという傾向も理解できるでしょう。つまり、セルフネグレクトの要因はだれもが直面する状況です。ですから、ぜひセルフネグレクトの傾向を持つ人は、決して自ら望んでそうなったわけではないことを十分理解するようにしてください。

3.セルフネグレクトの対処方法

3-1.自治体のサポートを活用しよう

自治体はセルフネグレクトがもたらす孤独死やゴミ屋敷などの問題を避けるためにも、意欲的にセルフネグレクトへの対処支援を行っています。セルフネグレクトを改善するために施設への入居を計画している自治体もあるでしょう。とはいえ、難しい点のひとつは、本人がセルフネグレクトを改善するための支援を断ることが多いということです。もちろん、本人が支援を望むことが最もよい方法ですが、無理に自治体の支援で結果を出すようにはしないでください。ときには、自治体の支援は対処のための最初のステップではないこともあるのです。とはいえ、そのような支援があることは思いに留(とど)め、相談をしながらセルフネグレクトの家族を助けていくこともできるでしょう。

3-2.よく聞いてあげる

セルフネグレクトは大抵の場合、何らかのきっかけにより引き起こされるものです。ですから、その根本原因を聞いてあげて理解してあげることにより、セルフネグレクトが改善されることもあります。悲しい気持ちや絶望感を理解して、思いが癒(い)やされるように助けてください。また、生活のはりを持つことのできる方法を考えてあげることもよいでしょう。定期的なコミュニケーションがやがて心の扉(とびら)を開けることにつながるのです。どうぞゆっくりと確実に信頼関係を培(つちか)うようにしてください。

3-3.見えるところから正そうとしないようにする

セルフネグレクトの人を助けるためには辛抱強さが不可欠です。ゴミがあふれていることや清潔さに欠けている点は気になることでしょう。しかし、すぐに見えるところを正すことのないようにしてください。生活の変化を強制するよりも、理解してあげるようにしましょう。本人の絶望や落胆が和らぐことにより、自然と見える部分の改善も進んでいくものです。何かやりがいのあるものを見つけることによっても、生活の改善が始まることもよくあります。あせらずに少しずつ助けていくようにしてください。

まとめ

セルフネグレクトは決して他人(ひと)ごとではありません。わたしたちのだれもがいつどんな状況に直面し、大きな落胆や絶望を感じるかわからないのです。ですから、セルフネグレクトに悩んでいる人も、自ら望んでそのような状況になっているのではないことを忘れないでください。セルフネグレクトの傾向が見えたなら、

  • 話をよく聞く
  • 生活のはりを与える
  • 見えるところから正すようにしない
  • 自治体の支援にも精通しておく

などにより、自分や家族をセルフネグレクトの危険から救うようにしましょう。