死亡後の年金はどうなるの? 年金受給者の死亡後に確認することや手続き

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死亡後の年金はどうなるのか、基本的なルールが分からず悩んでいる方は多いでしょう。手続きが分からないから、面倒だからという理由で放置するのは絶対にNGです。後でトラブルにならないためにも、できるだけ早めに手続きを行う必要があります。それでは、一体どのように手続きをすればいいのでしょうか。

本記事では、死亡後の年金で押さえておきたいポイントなどを解説します。

  1. 年金受給者の死亡後に確認すること
  2. どのような手続きをすればいいのか?
  3. 未支給年金と遺族年金を請求する場合
  4. 年金の手続きについて相談する場合は?
  5. 死亡後の年金に関してよくある質問

この記事を読むことで、死亡後に必要な年金の手続きや確認すべきことなどが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.年金受給者の死亡後に確認すること

まずは、年金受給者の死亡後に確認することをチェックしておきましょう。

1-1.年金受給者が亡くなると年金を受け取り権利はなくなる

年金を受給していた身内が亡くなった場合、その時点で年金を受け取る権利はなくなります。そのため、年金受給者が亡くなったことを年金事務所などに伝えなければなりません。ただし、まだ受け取っていない年金分は、未支給年金として受給者の遺族が受け取ることができます。受け取れる権利があるのは、受給者が死亡した当時、生計を同じくしていた遺族だけなので注意が必要です。なお、年金の受給前に亡くなった場合は、遺族年金を受け取ることができます。遺族年金も、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族が対象です。

1-2.年金を受け取っていたか

年金受給者が亡くなったら、すぐに年金を受け取っていたかどうか確認してください。年金を受け取っていたのなら、受給停止の手続きを行うために、死亡した人の年金証書が必要になるからです。給付が開始していたかによって、行わなければならない手続きの内容も大きく変わります。また、加入していた年金の種類も確認が必要です。国民年金・厚生年金・共済年金などがあるため、どの種類に加入していたのかチェックしましょう。よく分からない方は、自治体または年金相談センターに問い合わせてください。

2.どのような手続きをすればいいのか?

ここでは、年金受給の停止に必要な手続きについて解説します。

2-1.年金受給権死亡届を提出する

年金受給者が亡くなると年金を受け取る権利を失うことになるため、年金事務所または年金相談センターへ年金受給権死亡届を提出しなければなりません。手続きに必要なのは、死亡した人の年金証書と死亡の事実を証明できる書類(戸籍抄本・死亡診断書のコピー等)です。また、手続きの期限が年金の種類によって異なるので注意してください。国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は死亡日から10日以内の手続きが必要です。葬儀でバタバタしていると忘れてしまいがちなので、葬儀が終わったらこの手続きを行うようにしましょう。

2-2.手続きを忘れると問題になることも

うっかり年金受給停止の手続きを忘れてしまうと、後で問題になる恐れがあります。手続きをしない限り、年金が受給されるので不正受給になってしまうからです。実際に、死亡届を出さずに家族が何年も故人の年金を受け取っていたというニュースが起きています。公的年金はきちんと死亡届を提出しなければ、いつまでも支給し続けることになるのです。そして、不正に受け取った年金は後で返還しなければなりません。

2-3.マイナンバーの登録者は手続きが必要ない

日本年金機構にマイナンバー(個人番号)を登録している方は、年金受給者死亡届の提出が必要ありません。この手続きを省略することができるため、わざわざ届出をする必要がないのです。相続開始とともにたくさんの手続きを行わなければならないので、1つでも省略できるものがあると助かりますよね。だからこそ、余裕があれば、日本年金機構にマイナンバーの登録を済ませるのがおすすめです。マイナンバーを登録することで、年金以外にも省略できる手続きはたくさんあります。

3.未支給年金と遺族年金を請求する場合

ここでは、未支給年金と遺族年金それぞれを請求する方法について解説します。

3-1.未支給年金を受け取れる人

年金受給者が亡くなると、生計を同じくしていた遺族がその未支給分を請求することができます。未支給年金を受け取る権利がある人は以下のとおりです。

  • 配偶者
  • 子ども
  • 父・母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • そのほか

年金を受給していた人の代わりに、遺族が未支給分を受け取ることになります。公的年金は2か月に1度、偶数月の15日に前月と前々月の分が振り込まれることになるでしょう。なお、死亡した月の分までは支給されるようになります。

3-2.未支給(年金・保険給付)請求書を提出する

未支給年金の請求方法は、年金事務所または年金相談センターに未支給(年金・保険給付)請求書を提出するだけでOKです。手続きに必要なのは、死亡した人の年金証書・戸籍謄本・故人と請求する人が生計を同じくしたことが証明できるものとなります。生計を同じくしていたと証明するには、住民票の写しがあれば大丈夫でしょう。また、需給を希望する金融機関の通帳も必要となります。忘れずに、あらかじめ用意しておくと安心です。

3-3.遺族年金は4種類ある

遺族年金を請求する前に、遺族基礎年金・遺族厚生年金・遺族共済年金・寡婦(かふ)年金と4種類の特徴を把握しておかなければなりません。それぞれの特徴について解説します。

3-3-1.遺族基礎年金

亡くなった配偶者が国民年金の加入者で子どもが18歳未満の場合に需給できる年金です。子どもが18歳になる年度の末日まで一定額が支払われます。市区町村の国民年金担当窓口に、死亡者の年金手帳と年金請求書を提出することで手続きが可能です。

3-3-2.遺族厚生年金

以下の条件に1つでも当てはまれば需給可能です。

  • 厚生年金の被保険者である間に死亡したとき、あるいは被験者の間の病気・ケガなどが原因で初診日から5年以内に死亡した
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある
  • 障害厚生年金(1・2級)を受けられる者が死亡した

また、年金の金額は受給者のそれまでの収入によって異なります。あくまで目安ですが、厚生年金の支給額の4分の3が遺族の受給額になるでしょう。なお、手続きは年金事務所に、死亡者の年金手帳と年金請求書を提出して行います。

3-3-3.遺族共済年金

公務員が加入する共済年金においても、遺族が亡くなった受給者の代わりに受給できる年金です。遺族共済年金は、遺族厚生年金とほぼ同じ仕組みとなります。また、手続きは年金事務所に、死亡者の年金手帳と年金請求書を提出してください。

3-3-4.寡婦年金

子どもがすでに18歳以上になっている、または子どもがいないという場合は、妻が生計を維持しているのを条件に受給できる年金です。ただし、婚姻期間が10年以上、18歳未満の子どもがいないなどの条件を満たさなければなりません。なお、寡婦年金は子どもがいない妻だけが受給の対象のため、男性は受け取ることができないので要注意です。また、寡婦年金の手続きは、年金事務所および年金相談センターの窓口に年金請求書を提出することになります。

3-4.遺族年金も請求期限は5年以内

未支給年金と同じく、遺族年金も時効があるので注意が必要です。遺族年金の場合、請求できる期間は5年と決まっています。また、年金の受給者が死亡したのにもかかわらず、すぐに死亡届を出さなかった場合、その間に振り込まれた年金は多く払いすぎたとみなされ、後で返金を要求される可能性もあるでしょう。必要な手続きは早めに済ませてください。

4.年金の手続きについて相談する場合は?

ここでは、年金の手続きについて相談する方法などを解説します。

4-1.年金に詳しい専門家に相談する

申請できる年金の種類や必要な手続きについて、素人ではなかなか把握できないところがあります。少しでも年金で悩んだ場合は、弁護士など専門家に相談するのも選択肢の1つです。相談する際は、できるだけ現状を詳しく伝えることが大切なポイントとなります。自分の場合、どのような年金なら受け取れるのか・どんな手続きが必要なのかアドバイスがもらえるでしょう。弁護士に相談するのがハードルを高く感じているのであれば、年金事務所または年金相談センターに相談するのも選択肢の1つです。

4-2.分からないまま放置するのはNG

年金について自治体に相談することもできるので、分からないまま放置するのは絶対にNGです。前述したように、年金受給者が亡くなった場合、受給停止手続きをしなければ不正に年金を受け取ることになってしまいます。また、生計を支えてくれていた家族が亡くなってしまうと、今までの生活を続けるのが難しくなるでしょう。そんなときこそ、遺族が受け取れる年金をしっかりと請求すれば、生活の支えになってくれるはずです。

5.死亡後の年金に関してよくある質問

死亡後の年金に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.手続きに必要な書類を提出する際の注意点は?
A.年金の手続きは速やかに済ませることです。提出が遅れると年金を多く受け取りすぎてしまい、後で返還を求められる可能性があります。また、亡くなった人の未支給年金は、その支給金を受け取った人の一時所得に該当するため、確定申告が必要になるでしょう。ただし、支給金を受け取る年分において、支給金を含む一時所得の金額合計額が50万円以下の場合は、確定申告を行う必要はありません。詳しいことについては、年金事務所や年金相談センターに問い合わせて確認してください。

Q.遺族年金請求の届出に必要な書類は?
A.死亡者の年金手帳と年金請求書のほか、戸籍謄本・世帯全員の住民票の写し・死亡者の住民票の除票・請求者の収入が確認できる書類などが必要です。ほかにも、子どもがいる場合、18歳未満と分かる書類を用意してください。また、死亡届の記載事項証明書または死亡診断書のコピー・受取先金融機関の通帳・印鑑も必要なので事前に用意しておきましょう。

Q.労災保険の遺族年金とは?
A.仕事中に亡くなった場合に受給できる遺族年金です。労災保険は労働者なら必ず加入している保険となるため、いざというときに頼りになります。労災保険の対象となるのは、以下の2つのケースです。

  • 工場で働いていた人が機械に巻き込まれるなど、業務請負中の事故で亡くなった場合(遺族補償給付)
  • 会社に向かう道で車にはねられるなど、通勤中に亡くなった場合(遺族給付)

Q.寡婦年金の手続きに必要な書類は?
A.寡婦年金の手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 死亡者の住民票の除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 年金証書
  • 印鑑

なお、死亡の原因が第3者行為の場合、以下の書類が必要となります。

  • 第3者行為事故状況届
  • 交通事故証明または事故が確認できる書類
  • 確認書
  • 被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことが分かる書類
  • 損害賠償金の算定書
  • 損害保険会社等への照会にかかる同意書

Q.手続きをスムーズに済ませるコツは?
A.事前に、どのような年金に入っているのか・いなくなったときにどのような手続きをすればいいのか明確にすることが大切です。家族同士で話し合っておくのはもちろん、自分がどのような年金に入っているのかも確認しておきましょう。併せて、身のまわりにあるものを整理することも大切です。生きているうちに整理し確認しておけば、スムーズな手続きができるでしょう。生前整理を検討している方は、生前整理サービスを行っている業者に依頼するのも方法の1つです。遺品整理ファンデックスでは、無料相談も行っているのでぜひ1度ご相談ください。

まとめ

年金を受け取っていた人が亡くなった場合、受給停止の手続きを親族が行わなければなりません。手続きの期限は死亡日から国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内と決まっています。死亡届を出さずに年金を受け取り続けていると、多く受け取った年金は返還しなければなりません。後でトラブルにならないためにも、早めに死亡届を出し、受給停止の手続きを行ってください。事前に、手続きに必要なものを準備しておくとスピーディーに済ませることができるでしょう。