親が滞納した税金はどうすればいい? 押さえておくべき注意点はコレ!

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故人の遺産整理を行うなかで、滞納していた税金や家賃の未納が見つかった場合、その支払い義務は誰が負うものなのでしょうか? こういった事例は、人生において、何度もあることではないので判断に困るものです。

そこで、この記事では親が滞納した税金や家賃の支払い義務に対する有無、またそれらを放棄する場合の注意点について解説していきます。

  1. 親が滞納していた税金や家賃の支払い義務は誰が負う?
  2. 支払う義務が発生するものにはどのようなものがある?
  3. 債務を相続しなくてよくなる唯一の方法って何?
  4. 相続放棄する際の注意点とは?
  5. 相続放棄の手続きの流れ

1. 親が滞納していた税金や家賃の支払い義務は誰が負う?

相続の「相」という字には、姿という意味が含まれています。そのため、相続の本来の意味は、故人の姿やその想(おも)いを受け継ぐという意味合いがあるのです。

しかし、一般的な法律上の解釈は、生前の所有物や財産を、配偶者や子供が相続すること。
故人の財産上の権利義務を包括的に継承していくという意味で捉えるのです。

そのため、亡くなった親が滞納していた税金や家賃の未払いは、「マイナス」の財産とみなされ、配偶者や子供が相続し、彼らにその支払い義務が継承されます。

本来の意味からすれば、相続は、次世代に伝達する「プラス」のイメージです。しかし、実際には、相続は財産の移転に伴うものという観点から判断され、それが「プラス」であっても「マイナス」であっても、遺族が引き継ぐものと言えるでしょう。

税務署からの連絡というタイミングで、初めて故人の税金や家賃の滞納を知るというケースはよくあること。その払えそうもない莫大(ばくだい)な未払い金に、精神的なストレスを抱えてしまう場合もあるでしょう。

相続はプラスもマイナスも遺族が引き継ぐものなんですね。
莫大な未払金を知ったときなどは精神的に追い込まれてしまうでしょう。

2. 支払う義務が発生するものにはどのようなものがある?

故人の他界により相続税で支払いの義務があるものは、税金の滞納や家賃の未払いだけではありません。ここでは、どのようなものがあるのか、いくつか例をあげてみましょう。

2-1. 税金

故人の残した市県民税や固定資産税の滞納は、法的な措置を取らない限り、遺族が引き継いで支払う義務があります。

2-2. 家賃

未納の税金と同じく、故人である借家人が滞納した家賃の支払い義務は、残された遺族に継承されます。

2-3. 国保 

国民健康保険、通称「国保」を滞納している場合、未納の財産として、支払いの義務は遺族に相続されます。

2-4. クレジットカード

クレジットカードの所有者が死亡した場合、その旨、解約処分として遺族よりカード会社に連絡が必要です。しかし、カード会社と故人の契約が終わったとしても、クレジットカードの請求に対する支払い義務はそのまま残り、遺族である相続人に支払いの義務が課せられます。

税金からカードの支払いまで色々とあるんですね。
これらは一例ですが、支払い義務が遺族に相続されるものとして覚えておくとよいでしょう。

3. 債務を相続しなくてよくなる唯一の方法って何?

遺族が支払いの債務を相続しなくて良くなる唯一の方法として、「相続放棄」という手続き方法があります。放棄という語彙(ごい)からも想像がつくように、相続する財産がプラスであってもマイナスであったとしても、その権利や義務を手放すことです。一般的に故人のマイナス財産が多い時や、相続争いに巻き込まれたくないという場合に、この方法を選択するケースが多いでしょう。

相続放棄という手続きがあるんですね。
支払いが困難な多額のマイナス財産があるという場合はもちろん、相続争いに巻き込まれたくないという場合に選択される手段です。

4. 相続放棄する際の注意点とは?

相続放棄の申請などは、人生において、何度も経験することではありませんよね。そのため、その申請の仕方や注意点について知らない人が多いのが実情と言えるでしょう。ここでは、相続放棄する際の注意点について、解説していきます。

4-1. 相続放棄は誰がすべきか?

家族は家系図でもわかるように、親や子供、兄弟姉妹がそれぞれ木の枝のように、つながっているものです。そこで、相続を放棄した場合、それらに関する一切の権利義務は、リレーのバトンタッチのように、次に故人に近い相続人へ順にまわっていきます。それには順位があり、以下のような順番です。

  1. 配偶者
  2. 故人の実子、または法律上で認められた養子
  3. 故人の父母、または祖母
  4. 故人の兄弟姉妹

4-2. 「自分が相続人となった」事実を見極めるには

相続放棄とは、自分が相続人として認められた日から、”3か月月以内”に書類を提出する必要があります。そこで、注意したいのは、自分が相続人として認められた期日を明確に知ることです。

優先順位が高い相続人が相続を放棄したため、自分に未納の支払い義務がまわってきたことを知らなかったというだけでは、支払いの義務を免れることはできません。決められた3か月という期日内に手続きをしなければ、相続人がマイナスの財産も含む故人の一切の財産を無条件で承認したことになってしまうのです。

たとえば、相続人として優先順位の高い配偶者やその子供の場合、故人の死亡を知った時が「自分が相続人として認められた日」ということになります。実の親子でも、全く音信不通で年始の挨拶さえ怠っているような親子関係の場合は、債権者の通知により、故人の死亡を知った時が、「故人の死を知った日=自分が相続人として認められた日」ということになるでしょう。

相続放棄をするとリレーのバトンタッチのように順にまわっていくんですね。
相続放棄は相続人として認められてから3か月月以内に行う必要があるということも覚えておきましょう。

5. 相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きには、家庭裁判所に、相続人による相続放棄申述書を提出する必要があります。ここでは、相続放棄の手続きの流れについて、順を追って解説していきましょう。

5-1.  相続放棄の手続きに必要な書類を用意する

まず、相続放棄の手続きに必要な書類を用意しましょう。

  • 相続放棄申述書 
  • 相続人の戸籍謄本
  • 故人(被相続人)の住民票の除票
  • 800円の収入印紙 
  • 返信用郵便切手 (一般的に400円程度ですが、裁判所によって異なるので、事前に管轄区内の家庭裁判所に問い合わせをしましょう)
  • 相続人の認め印

5-2. 相続放棄申述書の作成

相続放棄申述書を作成しましょう。相続放棄申述書は、家庭裁判所に直接出向くことで窓口でももらえますが、家庭裁判所のホームページからでもダウンロードできます。書式の記入例などは、家庭裁判所のホームページで確認することができるので、申述書を作成する時に参考にすると良いでしょう。

5-3. 家庭裁判所への書類提出

作成した相続放棄申述書は家庭裁判所に提出します。直接窓口に持参でも構いませんが、郵送での提出を選択する場合は返信用切手の同封を忘れないようにしましょう。また、覚えておきたいことは、作成した相続放棄申述書の提出先です。故人の最終住所の管轄区内である家庭裁判所が書類の提出先となるので、相続人の管轄区内の家庭裁判所と間違えないようにしましょう。

5-4. 家庭裁判所からの質問書

申述書の提出後、およそ10日間で家庭裁判所から照会書(質問書)が送られてきます。照会所の内容は相続放棄に関する質問です。速やかに質問に回答し、裁判所に送り返しましょう。

5-5. 相続放棄の受理

家庭裁判所の照会所へ書類を返送して、約10日以内に家庭裁判所より相続放棄申述受理通知書が送られてきます。この段階で、ようやく相続放棄完了です。

5-6.  相続放棄が受理されてからしておきたいこと

相続放棄申述受理通知書が手元に届いてからしておきたい”オプション事項”です。債権者には相続放棄した旨を証明する必要が出てくるでしょう。そのため、相続放棄申述受理証明書を交付し、手元に置いておくことをお勧めします。

また、法定相続人が順位的に自分の次になる人に、相続放棄が受理されたことを伝えておきましょう。家庭裁判所は、次順位の相続人へ「次はあなたが相続人ですよ」というような報告をしてくれません。特にマイナスの相続が多い場合、自分が受けた債務のストレスはほかの親族に味わせたくないですよね。故人のためにも、相続にまつわるトラブルは未然防止を図ることが懸命と言えるでしょう。

必要な書類や提出についてよくわかりました。
家庭裁判所より相続放棄申述受理通知書が送られてきた段階で初めて相続放棄完了となります。

まとめ 

いかがでしたか? この記事では、親が滞納した税金や家賃についての支払い義務、また、相続放棄する場合の注意点について解説しました。

  1.  親が滞納していた税金や家賃の支払い義務は、誰が負うもの?
  2.  親が滞納し、支払い義務があるものには何が含まれる?
  3.  債務の相続しなくて良くなる唯一の方法って何?
  4.  相続放棄する際の注意点とは

以上について知ることで、故人が滞納した税金や未納の家賃などの支払い義務が誰にあるのか?また、相続後の債務をどのように対処すれば良いのかわかるでしょう。

故人の遺産整理で、初めて負債があることを知った時など、精神的なショックを受けてしまうもの。しかし、そのまま放っておけば、支払い義務はすべて承認されたとみなされてしまいます。故人のためにも、この記事を参考に、上手にトラブルを回避してください。