
生前整理のメリットや必要性を解説! 残りの人生をよりよく過ごすために
2015/11/27

今、生前整理をする人が増えています。雑誌やテレビなどで特集を組まれることもあり、「自分もやってみたい」と考えている人も多いことでしょう。その一方で、「生前整理には興味があるが、やり方がよく分からない」と悩んでいる方もいると思います。
そこで今回は、生前整理のメリットややり方を解説しましょう。
この記事を読めば、生前整理の際に出た不用品の処分方法も分かります。生前整理に興味がある人や生前整理をやりたいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.生前整理のメリットと必要性
はじめに、生前整理を行うメリットや重要性を紹介します。
1-1.生前整理を行えば人生が身軽になる
高齢になるにつれ、人はいろいろな能力が衰えていきます。ものを管理する能力も例外ではありません。ものの多い家に暮らしていれば必要なものが見つかりにくくなり、整理整頓も難しくなるでしょう。生前整理をして本当に必要なものだけで暮らすことで、高齢になっても家の中が乱雑になりにくくなります。また、バリアフリーリフォーム等、高齢になって家を住みやすくしたい場合も、ものが少ないほどスムーズにできるでしょう。
1-2.生前整理は残された人のためにもなる
今、親の家の片付けに悩む人が増えています。遺品が多いほど遺族の手間が増え、遺品の扱いもぞんざいになっていくでしょう。生前整理を行っていれば遺族が遺品整理をスムーズに行うことができ、金銭的な負担も軽くなります。
1-3.生前整理は思い立ったら始める
生前整理は、年を取ってから行うイメージがあります。しかし、持ちものの整理は判断力と体力・時間が必要です。ですから、「持ちものを少し整理してみよう」と思ったら、すぐに始めてみましょう。30代・40代から持ちものを整理する習慣をつければ、改めて生前整理を行う必要もなくなります。また、なかなか踏ん切りがつかない人は、引っ越し(施設への入居を含む)や定年退職をきっかけに行うのもいいでしょう。1日で全部終わらせる必要はありません。自分のペースで行っていけばいいのです。
2.生前整理の基本的なやり方
この項では、生前整理の基本的なやり方を解説します。ぜひ、参考にしてください。
2-1.不要なものを捨てる勇気を持つ
同じ家に長く暮らしている人ほど、不用品が家の中にたまりがちです。「いつか使うかもしれない」と取ってあるもの、長年使わなかったものなどは、すべて捨てる勇気を持ちましょう。また、残したいものの基準と取っておくスペースを決めることも大切です。例えば、「自分が使っているクローゼットに入る分は、趣味のものや思い出の品を残そう」と決めておけば、持ちものを残せる量も分かってきます。アルバムなどは、写真をデジタル化すればコンパクトになるでしょう。「必要ないけれど、思い出が残っていて捨てられない」というものは、写真に撮って現物を処分する方法もあります。
2-2.家族のものには手をつけない
生前整理は、「自分のものは自分で」が基本です。家族のものに手をつけてはいけません。配偶者が生前整理に無関心だからといって、勝手に持ちものを処分しないようにしましょう。
2-3.財産は目録を作っておく
財産は、遺族に分かりやすいように目録を作っておきましょう。財産に該当するのは、以下のようなものです。
- 現金:預金の場合は、預け先・名義・口座番号・暗証番号を記載しておく
- 有価証券:種類と預け先を記載する
- 保険:保険会社・保険の種類・番号を記載
- 貴金属
- 古美術品・骨とう品:種類と価値、売却先などを記しておく
- コレクターズアイテム:古書・ホビー・趣味の道具など
- 家具・家電負の財産:借金(ローンも含む)・未納の税金など
特に、コレクターズアイテムは、価値のわからない人の手に渡るとゴミとして処分されてしまうこともあります。価値や譲り先を書いておきましょう。
2-4.不用品を処分する際の注意点
生前整理をしているときに出た不用品は、基本的に自治体にゴミとして回収してもらえます。しかし、以下のようなゴミは処分方法が異なるので注意しましょう。
2-4-1.家電リサイクル法対象家電
冷蔵庫・洗濯機(乾燥機)・テレビ・エアコンは家電リサイクル法対象家電です。どの自治体もゴミとして回収できず、リサイクル料と運搬料を支払って家電量販店に回収してもらうか、自治体が定めている回収場所に自分で運搬し、リサイクル料金を払って回収を依頼してもらいます。
2-4-2.パソコン
デスクトップパソコンは、メーカーに回収を依頼します。2003年以降に製造されてPCリサイクルマークが貼ってあるパソコンは、無料で回収可能です。ノートパソコンやタブレットパソコンは、家電量販店や自治体に「小型家電」として回収してもらうこともできます。市役所や家電量販店のサイトを確認すれば、ノートパソコンやタブレットパソコンの回収をしているところは、その旨が記載されているでしょう。
2-4-3.小型家電
自治体によっては、特定の小型家電をリサイクル目的で回収しているところがあります。市役所のサイトに、小型家電を回収している旨を記載している場合は、記載されたルールに従って回収ボックスなどに持っていきましょう。
2-4-4.農薬や化学薬品
農薬や化学薬品は、自治体ではゴミとして回収できません。専門の業者に引き取ってもらいましょう。なお、農薬は農協で引き取ってもらえる可能性があります。また、ガソリン・灯油・軽油はガソリンスタンドで処分可能です。
3.生前整理を業者に依頼する方法
この項では、生前整理を業者に依頼するメリットや方法を紹介します。
3-1.生前整理を行ってくれる業者は2種類
生前整理の手伝いをしてくれる業者には、遺品整理業者と不用品回収業者があります。遺品整理業者は、遺品整理が本業ですが、最近では生前整理のアドバイスや手伝いをしてくれるところも増えてきました。業者によっては、財産の目録の作り方なども教えてくれるところもあります。不用品回収業者は、不用品を有料で回収したり買取してくれたりする業者です。「たくさんの不用品を一度に処分したい」という場合に利用すると便利でしょう。
3-2.生前整理を業者に依頼すると早く終わる
生前整理には、時間が必要です。しかし、「施設への入居が決まったので、早急に持ちものを整理したい」など時間に余裕がないケースもあるでしょう。そのような場合、業者に依頼すれば時間が節約できます。不用品の回収だけでも依頼すれば、かなり手間が省けるでしょう。なお、業者によって利用できるサービスが異なります。持ちものの整理まで手伝いが必要なのか、不用品の処分まで依頼したいのか、自分が求めているサービスをよく考えて依頼しましょう。
3-3.費用は依頼内容によって異なる
生前整理を業者に依頼する際にかかる費用は、利用するサービスによって異なります。ですから、まずは見積もりを取りましょう。見積書をきちんと作ってくれる業者は信頼できます。見積もりに納得いけば契約です。
3-4.業者に頼むときに気をつけたいこと
業者に依頼する場合は、いい業者かどうか見分ける必要があります。なぜなら、部屋にあった宝石などの貴重品がなくなった、見積もりより高い金額を請求された、自分にとって大事なものを乱暴に扱われた、などのトラブルが増えているからです。明朗な料金システムを持っていたり、整理風景をWEBカメラで中継してくれたりする業者もあるので、そういった業者を見つけるのも手でしょう。業者選びには注意してください。
4.生前整理に関するよくある質問
この項では、生前整理に関する質問を紹介します。
Q.生前整理は断捨離と同じようなものでしょうか?
A.はい。自分にとって不必要なものを積極的に処分することが大切です。
Q.家を出た家族の持ちものがある場合は、どうしたらいいでしょうか?
A.整理されているならそのままにしておいてください。整理が必要な場合は、家族にその旨を伝えて自分で整理してもらいましょう。
Q.財産目録と遺言書は異なりますか?
A.はい。遺言書は法律で書き方が決まっていますが、財産目録は特に決まりはありません。エンディングノートなどを利用してもいいでしょう。
Q.通帳や保険の書類があれば、財産が分かるような気がします。
A.最近は通帳がないインターネットバンキングも増えており、遺族が財産を把握しにくい状況になっているので、必ず書き残しておきましょう。
Q.生前整理は、どのくらい時間がかかりますか?
A.持ちものの量によって異なりますが、1戸建てに住んでいて収納スペースにものがたくさんある場合は、1年くらいかかると思いましょう。
まとめ
今回は、生前整理を行うメリットや必要性を紹介しました。日常的に持ちものを取捨選択する習慣をつけておけば、生前整理も短時間で済みます。思い立ったらその日から少しずつ進めていきましょう。