よくある相続トラブルの原因は? 解決法や未然に防ぐポイントを解説

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不動産や証券など高価なものを相続する場合、相続トラブルが心配になる方は多いでしょう。実際に、親族間で相続トラブルが起こり、不仲になってしまったというケースがたくさん起きています。未然にトラブルを防ぐためには、発生原因を把握することが大切です。

そこで、本記事では、相続トラブルの原因や解決方法などを解説します。

  1. 相続トラブルの現状とよくあるトラブル
  2. 相続トラブルの原因は?
  3. 相続トラブルの解決方法
  4. 相続トラブルを防ぐポイント
  5. 相続トラブルに関してよくある質問

この記事を読むことで、相続トラブルを未然に防ぐポイントが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。


1.相続トラブルの現状とよくあるトラブル

ここでは、相続トラブルの現状とよくあるトラブルの内容について解説します。

1-1.年々増加している相続トラブル

家庭裁判所に持ち込まれた「遺産分割審判」の数をチェックしてみると、この10年で約2.3倍に増えていることが分かりました。日本が高度経済成長期に入った頃、その過程で財産を築いてきた人たちが高齢者と呼ばれる世代に入っているため、相続トラブルが増加しているのです。また、相続税の基礎控除額の大幅な引き下げが、その相続トラブルに拍車をかけていると言われています。従来の基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人」でしたが、「3,000万円+600万円×法定相続人」に変更されました。相続税の申告が必要な人が2倍以上に増え、トラブルが起きやすくなっているのです。

1-2.よくあるトラブルは法定相続人の利害関係における複雑化

相続トラブルでよくあるのは、法定相続人の多さからくる利害関係の複雑化です。遺産相続の場合、遺産を受け取る権利がある人のことを法定相続人と言います。一般的に、法定相続人は配偶者・実子・兄弟姉妹となりますが、前妻の子どもや不倫で生まれ認知した子ども・死後に隠し子などが現れると、一気に複雑化してしまうのです。法定相続人が多くなるほどお互いの利害関係が複雑化し、誰がどの遺産を相続すべきかなどのトラブルが起きやすくなります。

1-3.遺産独占や分割の割合に納得しない

遺産相続は、被相続人(故人)の意思が尊重されるため、遺言書などで相続人の1人が遺産を独占したり、遺産分割の割合に納得しなかったりという理由で相続トラブルになることがあります。法定相続人でありながら相続対象から外されると、納得できない方は多いでしょう。法定相続人として保障された遺留分を受け取る権利はありますが、裁判や調停で請求する必要があります。相続割合に納得できない場合は、きちんと分配比率が合っているか確認することが大切です。

1-4.土地・不動産の相続トラブルが多い

相続トラブルとなる対象品目は、ほとんどが高価なものです。中でも、土地や不動産関連の相続でトラブルになるケースが多発しています。土地と不動産は分けられない資産となるため、最も遺産相続トラブルが発生しやすい状況なのです。遺産を簡単に分割できない点が大きな理由ですが、ほかにも以下の理由があります。

  • 遺産の価値が客観的に捉えにくい
  • 土地の分割方法が合意されない
  • 居住していない相続人に権利があることが納得できない
  • 相続人のうち誰か1人でも反対すると名義が変えられない
  • 売却して換金したい人とそのまま居住したい人がいる

土地や不動産の財産を持っている方は、できるだけ早めに整理しておくといいでしょう。誰にどの財産を相続させるのか、ハッキリさせておけば相続トラブルを未然に防ぐことができます。

2.相続トラブルの原因は?

では、相続トラブルが発生する原因には、どのような内容があるのでしょうか。

2-1.相続財産の目録がなく内容がハッキリしていない

最も考えられる原因としては、相続財産の目録がなく、内容がハッキリしていないことです。何が相続財産になるのか、どんな財産があるのか不明瞭になっているからこそ、相続トラブルが起きやすい傾向があります。財産目録がないと、「もっと遺産があるのではないか」「隠しているのでは」と相続人同士が疑いを持ってしまいやすいのです。このような問題を避けるためには、相続人ではなく、被相続人が事前に資産を明らかにしておく必要があります。

2-2.遺言書の内容に問題がある

被相続人が亡くなる前に遺言書を作成していても、その内容が法的に無効になってしまうケースがあります。たとえば、自書でない箇所がある・日付や署名がない・変更が所定の方式にのっとられていない・表現があいまいなどです。遺言者が遺言時に認知症等で意思能力がなかったと判断されれば、きちんとした遺言書でも無効になるケースがあります。また、遺言の内容が偏っている場合も相続トラブルの原因となるので注意が必要です。

2-3.相続財産の多くが不動産になっている

相続財産の多くが不動産になっているケースも、相続トラブルの原因となります。前述したように、土地や建築物などの不動産は、遺産分けが容易にできないものです。共有にすることはできますが、後々に不都合な状況になりやすく、1人だけが相続することになるとほかの相続人との間で不平等が生じてしまいます。不動産を多数持っている方は、生前の間にきちんと相続人と話し合いをしておかなければなりません。

2-4.相続人同士が分かり合えない

相続トラブルの原因は、相続人同士が分かり合えないことが問題になるケースもあります。たとえば、同じ相続人であっても、親と同居・別居していたか立場の違いでお互いに理解し合えないことがあるのです。介護しながら親と同居していた相続人は、介護で大変な思いをした分、ほかの相続人よりも財産を多めにもらいたいと考えるでしょう。けれども、別居していた相続人は、同居中に親から金銭面の援助を受けていたから減らすべきだと考えます。お互いの立場を理解し合えないからこそ、相続トラブルが起きやすいのです。

3.相続トラブルの解決方法

では、相続トラブルが起きた場合、どのように解決すればいいのか具体的な方法を説明します。

3-1.弁護士に間に入ってもらう

相続トラブルは複雑で、相続税など法律関連の事柄が関係しています。そのため、相続人同士で話し合いを続けるよりも、弁護士に間に入ってもらったほうがいいでしょう。法律に詳しいプロの助言によって、的確かつ迅速に問題が解決できます。弁護士を交えた当事者間の協議で決着をつけるのが好ましいですが、協議では解決できない状況にまで発展することもあるでしょう。そんなときは、裁判で争われることになります。

3-2.調停または審判へ移行する

弁護士を交えた協議でも解決できない場合、調停または審判へ移行することになります。調停では、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立て、調停委員を交えての話し合いで進めることになるでしょう。調停でも解決できない場合は審判となります。裁判所の判断によって、法的に解決するしか道はありません。相続トラブルが悪化するほど、時間も精神的なダメージも大きくなってしまいます。できるだけ、調停や審判へ進まないように配慮することが大切です。

4.相続トラブルを防ぐポイント

相続トラブルを未然に防ぐポイントを解説しましょう。

4-1.法的に有効な遺言書を作成する

相続トラブルにおける1番の予防策は、法的に有効な遺言書を作成することです。遺言書にきちんと財産目録を提示し、誰にどのくらい分割するのか明確に自分の意思を表示する必要があります。ここで注意しておきたいのは、遺言の内容が偏らないことです。法律では、一定範囲の相続人には遺留分と呼ばれる最低限の割合が決められています。相続トラブルを起こさないためには、その遺留分はきちんと守ることが大切です。

4-2.財産目録を作る

遺言書に記載するのもいいですが、別に財産目録を作成しておくと安心です。被相続人の死後に相続人が全財産を確認するのはとても大変ですので、生前のうちに財産目録を作りましょう。自分がどんな財産を持っているのか確認でき、誰に何を相続してほしいのか整理できます。特に、相続トラブルになりやすい土地や不動産・銀行預金・有価証券・自動車・貴金属類などは必須です。負の財産と呼ばれるローンや借金関連もきちんと記載しておきましょう。

4-3.法定相続人の数を確認し、コミュニケーションを取る

法定相続人の数が増えると、それだけ相続に関連する人が増えることになるため、事前に法定相続人の数を確認することが大切です。そして、できれば被相続人と相続人、相続人同士でコミュニケーションを取っておきましょう。相続トラブルの原因には、コミュニケーション不足による考え方のすれ違いがあります。きちんとコミュニケーションを取っておくことで、お互いにどんな考えを持っているのか理解し合えるようになるのです。

4-4.生前に身のまわりにあるものを整理する

被相続人は遺産目録を作るだけでなく、生きている間に身のまわりにあるものを整理することも大切な対策です。遺品や遺産が多くなるほど相続トラブルになりやすく、遺品整理に時間と手間がかかってしまいます。家族の負担を減らすためには、生前整理が必要です。生前整理は家族のためだけでなく、これからの生活をよりよくするためのメリットもあります。この機会に、自分が持っているものを整理し、要らないものを処分してください。

5.相続トラブルに関してよくある質問

相続トラブルに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.相続財産でトラブルになりやすい寄与分とは?
A.被相続人の財産継続や増加に「特別な貢献をした相続人」がいる場合は、その貢献分を上乗せできる制度を寄与分と言います。たとえば、長男として父の事業を手伝ったり、被相続人の事業に資金提供をしたり、介護をしたりするなどです。相続人同士で寄与分に関してもめた場合は、最終的に家庭裁判所の判断に委ねられることになります。

Q.内縁関係の存在が発覚したときの対処法は?
A.子どもがいて認知している場合は、子どもは法定相続人となります。法定相続人が増えると、分け与える財産が減るので相続トラブルになりやすいのです。基本的に、法律や遺言書の内容に従うしかありませんが、分からないときは弁護士に相談してください。弁護士のアドバイスをもとに、話し合いを重ねることになります。

Q.財産目録の作成で注意する点は?
A.目録を作成する場合は、住宅ローンや借金などのマイナスの財産を別にして作ってください。そのほうが残された家族も分かりやすくなります。マイナスの財産が多い場合は、相続を拒絶することができるのです。ただし、遺品整理をした後に相続を放棄することはできないため、その点は注意してください。

Q.弁護士に相談したほうがいいケースは?
A.遺産の分割方法でもめている・遺留分を侵害されているケースは、迷わず弁護士に相談したほうがいいでしょう。また、遺言書の内容に納得がいかない・遺産分割協議の結果に不満が残っているケースも弁護士に相談して、プロからのアドバイスを得てください。素人では分かりにくいことでも、弁護士に相談すればいち早く解決できる可能性があります。

Q.生前整理・遺品整理を楽にするコツは?
A.持っているものや不用品が大量にある場合、整理に時間がかかってしまいます。そんなときは、生前整理や遺品整理サービスを行っている業者に依頼するといいでしょう。業者の力を借りることで手間と時間をかけることなく、スピーディーな作業で終わらせることができます。また、不用品の処分も請け負ってくれるため、高齢者でも安心です。遺品整理ファンデックスでは不用品の買取も行っているので費用を最小限に抑えることができます。ぜひ1度ご相談ください。

まとめ

さまざまな相続トラブルの中でも、よくあるのは不動産や宝石など高価な遺産の相続です。誰が相続するのか相続者同士でもめてしまい、それをきっかけに不仲になったということもあります。相続トラブルを防ぐためには、遺言書できちんと自分の意思を伝えたり、生きている間に身のまわりにあるものを整理することも大切です。ただし、遺言書は正しい書式で書くこと、必要な内容をきちんと記載しておかなければ、無効になるケースがあるので注意しなければなりません。