遺産相続には手続きの期限があります!過ぎてしまったらどうするの?

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

遺産相続に関して、考えたことはありますか?親族の死というのは、予測できるものではありません。ある程度は、事前にそなえておく必要があります。しかも、遺産相続には期限があるのをご存じですか?期間内に手続きをせずに、過ぎてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?今回は、遺産相続の期限に関することを紹介したいと思います。

  1. 遺産相続の期限とは
  2. もし期限を過ぎてしまったら?

1.遺産相続の期限とは

遺産相続の手続きに関しては、段階があります。特に、自分で手続きを行う場合には期限をしっかりと把握しておく必要があるでしょう。早く手続きをしなければならない順番に紹介します。

1-1.借金を相続したくない!それなら3か月以内に手続きを

遺産相続といっても、財産ばかりを相続できるわけではありません。当然借金も一緒に相続することになります。相続する財産よりも借金の方が多ければ、相続する意味はありません。そこで行う手続きは「相続放棄」です。これで、借金を背負わなくて済みます。

また、プラスになる遺産の範囲で借金分を相続する「限定承認」という方法も。借金の金額が相続する財産よりも明らかに多い場合や、借金の金額がわからない場合に有効です。こちらも、家庭裁判所に申し出て所定の手続きを行う必要がありますので、早急に対応しましょう。

1-2.遺産相続の所得税申告は4か月以内

被相続人(亡くなられた方)が死亡した年の、1月1日から死亡日までの期間分の所得を確定申告する必要があります。これを準確定申告といい、相続人全員が納税者です。要するに、亡くなられた方の生きていたときの所得税を相続人が代わりに納税するといった形になると思ってください。管轄の税務署に申告しましょう。申告する義務がありますから、申告しなければ脱税になってしまいます。

1-3.相続税の申告は10か月以内

平成25年以降、「3000万+(相続人の数)×600万」の金額よりも遺産が多い場合、相続税の申告が必要です。

例)
相続する財産が1億円で、相続人数が2人の場合。
3,000万+(2人)×600万=4,200万
1億-4,200万=5,800万となります。
この計算で導き出された、5,800万が課税対象です。

ただし、遺産分割協議が完了していない場合などは、申告期限の猶予を許可してもらえます。また、暫定的に申告をして、完了後に修正申告をすることも可能です。どちらにしても、手続きは必要ですからお忘れなく。

相続税を納付する期限も10カ月以内です。現金でなく物で納める場合にも期限は変わりません。申告書を提出してから許可を受けなければならないため、早めに対応しておいた方がいいでしょう。

1-4.遺留分の請求は1年以内

相続人に最低限の財産を保証する制度を「遺留分」といいます。もし、身内ではなく愛人や友人などの他人に遺産を譲るという遺言があった場合、身内としては黙っていられません。財産をすべて他人に持っていかれることを防ぐ制度と思ってください。この申告を「遺留分の減殺請求(げんさいせいきゅう)」といい、相続開始から1年以内に実行することで、遺産を取り戻せます。

ただし、配偶者と子には遺留分がありますが、兄弟や姉妹にはありませんのでご注意を。

1-5.相続税軽減の申告は3年以内

配偶者の相続税の軽減や、小規模住宅地の課税、農地等の相続税猶予などの手続きは3年以内に行いましょう。

配偶者の相続税軽減は、分割が確定していれば先に納付した税金が一部返してもらえる可能性があります。

小規模住宅地の課税に関しては、亡くなった方が住居や事業として使っていた宅地のうち、240平方メートルまでで、そのまま使う場合に減税してくれる制度です。最大で80%も減税してくれるという手厚い制度ですので、利用できる人は利用しましょう。

農地等の相続猶予に関して、一定の条件を満たせば農業を引き継ぐ場合相続税が減税されます。

2.もし期限を過ぎてしまったら?

遺産相続の期限が過ぎてしまった場合どうすればいいのでしょうか?

2-1.とりあえずは弁護士に相談

期限を過ぎた場合、所定の申告書を提出する必要があります。たとえば、相続税の10か月という期限を過ぎた場合、「相続税の期限後申告書」を提出しなければなりません。期限を遅れた分だけ延滞金が取られるのでご注意を。もちろん税金ですから、回避する方法はありません。どのような手続きが必要なのか、弁護士に相談し早急に対応しましょう。

2-2.相続登記は大丈夫

亡くなった人が所有していた不動産の名義変更をする「相続登記」に関しては、変更する義務も期限もありません。当然ペナルティもありませんが、売却できませんし、別の相続人に勝手に処分される可能性も考えられます。期限はありませんがデメリットはありますので、手続きしておいた方がいいでしょう。

2-3.相続放棄や限定承認が決まらない場合

3か月以内に手続きをしなければならない「相続放棄」と「限定承認」に関して、そんなに早く決まらないという場合もあるでしょう。そんなときには、期間の延長を申し立てる必要があります。これは裁判所に申し立てて、延長するという決定を得る方法で、どうしても決まらない場合には利用する価値があるでしょう。下記はその申し立てに必要は書類です。

  • 期間伸長申立書
  • 申立人の戸籍謄本
  • 亡くなられた方の戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本、住民票除票

書き方に関しては、インターネットのサイトなどに記入例が掲載されています。参考にしながら記入するといいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?遺産相続の手続きは非常に多く、期限が決まっているため大変な作業です。手続きの順番や流れをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。大切な人が亡くなられてすぐの時期に行わなければならないため、心の整理もつかずにつらいと思います。しかし、やるべきことをやっておかなければ、あとから大変なことになるかもしれません。遺品整理もしなければなりませんし、やるべきことは早々に手続きを完了させてしまいましょう。相続人同士が協力して行うことで、スムーズに手続きを完了させることができます。