
墓地や霊園の選び方は?失敗しない選び方3つのポイント
2016/02/15
大切な家族だけではなく将来は自分もまつることになるお墓は、慎重に選びたいものです。そこで、墓地がいいのか霊園がいいのかとお悩みの人も多いでしょう。両方とも同じものだと思っている人も少なくないのですが墓地と霊園は基本的に異なります。
どのような違いがあるのか、また墓地にしても霊園にしても、どのようなことを基準に選べばよいのか、知っておきたい墓地・霊園の基礎知識をご紹介しましょう。
1.墓地と霊園の違い
墓地と霊園は、なんとなく同じものだと思っている方は多いようです。けれども、墓地と霊園は異なります。両方の違いをご紹介しましょう。
1-1.墓地とは?
一般的に「墓地」とは「寺院の境内地」にあるものを指します。そして、墓地を購入するときには、その墓地を管理している寺院の「檀家(だんか)」にならなければいけないことが多いようです。
檀家(だんか)とは、「特定の寺院に所属する家」のことを指します。昔は、檀家(だんか)が寄付をしたりお寺の修繕費などを負担したりして寺院を支えていました。その代わりに、お墓の管理や供養・法要を寺院が引き受けていたのです。
つまり、寺院の会員になって会費を支払う代わりに、そのお寺の墓地を利用したり法要をしたりしてもらえる権利を得る…とイメージするとわかりやすいでしょう。
また、墓地には自治体が運営している墓地や公益法人などが運営している墓地もあります。
1-1-1.寺院墓地のメリット
- 代々、手厚くおまつりができる。
- 寺院墓地は、比較的立地条件がよいところにあるのでお墓参りや法要など利用しやすい。
- 管理が行き届いているので安心できる。
- 法要など困ったことがあったときに僧侶に相談できる。
1-1-2.寺院墓地の注意点
- 檀家(だんか)になる必要がある。(お寺の行事や活動などに参加する必要があることも)
- 宗派が限定される。
- お墓を立てるときに石材店を指定されることがある。
- 永代使用料や管理料などを確認する必要がある。
1-2.霊園とは?
霊園は、大きく分けると民間霊園と公営霊園があります。
- 民間霊園…公益法人や宗教法人が運営する霊園。
- 公営霊園…都道府県・市町村などの自治体が運営する霊園。
霊園の場合は、寺院墓地とは異なり檀家(だんか)になる必要もなく、法事の際には僧侶への読経などは自由に選べます。
1-2-1.霊園のメリット
民間霊園の場合
- ほとんどの場合、宗教や国籍などの制約がない。
- お墓の区画面積や墓石のデザインなどを自由に選べる。
- 送迎バスや駐車場、法要施設、会席室、休憩所などの施設が充実している。
- お墓の販売数が多いので購入しやすい。
公営霊園の場合
- 自治体や自治体に委託された公益法人が管理・運営しているので経営、管理体制が安定している。
- 永代使用料が比較的割安。
- 宗教や国籍の制約がない。
- 管理料が安い。
1-2-2.霊園の注意点
民間霊園の場合
- 公営と比べると永代使用料、管理料が高い。
- 石材店は指定されている。
- 交通の便が悪い場所が多い。
- 霊園によって管理や運営には差がある。
公営霊園の場合
- お墓の募集期間が短い。
- 募集数が少ない。
- 申し込み資格に制限がある。
- 新しい場所ではなく、過去にほかの人のお墓があった場所になることも多い。
- 墓石の形やデザインなどの制限がある。
2.墓地の選び方のポイント
墓地とは、一般的に寺院が管理している寺院墓地を指します。(自治体や公益法人が運営している墓地もあります)
墓地を選ぶときには、まず運営主体が信頼できるかどうかということが大切になります。特に、寺院墓地の場合には、最初に檀家(だんか)になってから墓地を購入するケースとがほとんどです。檀家(だんか)になると長いお付き合いになります。後でトラブルにならないように以下のようなことをポイントに選んでください。
- お寺の運営状態だけではなく住職さんの人柄や評判なども調べる。
- 永代使用料を確認する。
- お布施の相場を確認する。(直接聞きづらい場合は出入りの石材店などに聞くのがおすすめです)
- 選んだお寺の宗派を確認する。
- 通いやすい場所にあるか交通の便を調べる。
- 事前に足を運んで寺院や墓地の雰囲気を確認する。
3.霊園の選び方のポイント
霊園の場合は、寺院の檀家(だんか)になる必要はないので自由に選ぶことができます。ただし、以下のようなことをポイントに選んでください。
3-1.宗旨・宗派の確認
霊園の場合、宗派は問わないケースがほとんどです。ただし、なかには仏教以外の宗教や新興宗教などではお墓を購入できないケースもあります。事前に霊園に確認してください。
3-2.立地
基本的に、霊園はたくさんのお墓があり広大な敷地を必要とします。そのために郊外にあることが多いようです。霊園で墓地を購入するときには、最初に交通の便を調べましょう。
また、不便な場所にある場合は、送迎バスなどのサービスが充実しているか確認することも大切です。
3-3.価格
永代供養料や管理費がどれくらいかかるのかは重要なポイントです。基本的に永代供養料は、霊園の立地・利便性・施設・設備・周辺相場などを考慮しながら決定されます。アクセスのよい都会に近い霊園ほど価格は高くなるのです。永代使用料はローンはきかないので、一括で支払います。
3-4.設備
霊園は寺院墓地と異なり、さまざまな設備をそろえているのが特徴でしょう。霊園によっても詳細は異なりますが、管理事務所・駐車場・法要設備・休憩室などがある霊園がおすすめです。
また、中心地から離れている霊園の場合は、食事ができる施設があるほうが便利でしょう。法要などで親族が集まったときに会席料理などを頂ける和室・洋室を完備している霊園もあります。わざわざ、移動する手間がはぶけるので人数が多いときは助かるでしょう。
さらに、最近では霊園全体をバリアフリーにするところも多くなってきました。法要やお墓参りのときに、でこぼこした敷地ではお年寄りや車椅子の方は大変です。移動がしやすいように配慮が行き届いている霊園を選ぶほうがよいでしょう。
3-5.サービス
僧侶の手配、供花(きょうか)、法事用の引き出物などの手配をしている霊園もあります。また、送迎サービスを行っている霊園も多いのですが週末やお盆、お彼岸のときだけということもあるので確認してください。
3-6.管理体制
墓地と同様に、霊園も管理体制がしっかりしているかどうかが重要なポイントになります。定期的に見回りをして清掃をきちんとしてくれる霊園かどうかを見極めましょう。お墓に供えるお花はいけたときにはきれいですが、時間がたつと枯れてしまいます。枯れた花は処分してくれコケなどが付かないように管理してくれる霊園を選びましょう。
まとめ
同じようなイメージがある墓地と霊園の違いがおわかりいただけたかと思います。
最近は、いつお迎えが来てもいいようにと、生前にお墓の準備をする高齢者は多くなってきました。しかしながら、突然旅立たれてしまうことも少なくありません。その場合は、葬儀、お墓、納骨まですべて遺族が行わなければならないので大変でしょう。生前にしっかりと知識を学び、いざというときにあわてないように備えるようにしてください。
また、突然のお別れで遺族が「困ったこと」の1番に挙げられるのが遺品整理です。葬儀やお墓の手配で大変なときに、亡くなった家族の遺品を整理する余裕はありません。そのために、最近では故人の遺品(日用品からデジタル遺品まで)を行ってくれるプロに依頼する方法が注目されています。生前・遺品整理のキャリアが多い信頼できる業者を選んでください。