お墓をいらないと思う方が増えている? お墓を作らない供養の仕方とは?

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現在、供養する人もなく荒れ果ててしまうお墓が問題になっています。また、先祖代々のお墓を管理しきれずに悩んでいる方も多いのです。「自分はお墓なんていらない」という方も増えているとか。しかし、お墓を作らないことなどできるのでしょうか?

そこで、今回は今増えているお墓を作らない供養の仕方をご紹介します。お墓は、その人が生きた証(あかし)でもあるのです。しかし、子どもや孫には苦労をかけたくない。この記事では、逝く人と遺される人が双方満足できる埋葬の仕方を紹介していきます。

  1. お墓を作る意義とは?
  2. 現在のお墓がかかえる問題点とは?
  3. お墓を作らないことはできるのか?
  4. 大切なのは生前の話し合い
  5. おわりに

1.お墓を作る意義とは?

お墓とは故人をしのぶよすがであり、遺族の心のよりどころとなるものです。家によっては先祖が代々永眠しているという立派なお墓があるでしょう。日本人は、血筋や祖先を大切にします。ですから、お墓も個人ではなく「家」単位で作られることが一般的です。また、家の跡取りは財産と一緒に先祖供養の責任者としての役割も、引き継いできました。

2.現在のお墓がかかえる問題点とは?

現在は、少子高齢化、そして非婚化が進んだことにより「跡取りのないお墓」が増えています。老夫婦ふたり暮らしの場合は、最後に残された方が亡くなってしまえばもう誰もお墓を供養してくれる人はいません。

また、地方から都市部に出てきた方の中には、「実家に跡を継がなければならないお墓がある」という人も多いでしょう。お盆とお正月は、故郷に帰る方もたくさんいます。しかし、親が亡くなれば、わざわざお墓の手入れや供養のために地方まで帰るのはと躊躇(ちゅうちょ)する人も多いでしょう。

そのため、継ぐ人はいるのだけれど地方の墓地で荒れ果てているお墓は少なくありません。また、配偶者や子どもがいない人の場合は、亡くなった後にお墓を作る必要性はない、と考えている方もいるでしょう。

3.お墓を作らないことはできるのか?

日本では火葬が一般的です。では、お墓を作らずに故人を弔うことはできるのでしょうか? この項では、お墓を作らない供養の仕方やそのメリット・デメリットをご紹介します。

3-1.永代供養を頼む

永代供養とは、一定の金額をお寺に収めて遺骨を引き取ってもらうことです。引き取られた遺骨は、一定期間個別にお祀(まつ)りされた後で合祀(ごうし)といってまとめて大きな供養塔に祀(まつ)られることが多いでしょう。永代供養をしてもらえれば、たとえ遺族がめったにお参りに来られなくても、お寺の方で管理をしてもらえます。

また、子孫が絶えてしまった後もお墓が無縁にならずにすむでしょう。しかし、永代供養には100万円単位の費用がかかることも多いです。また、実施している施設のほとんどがお寺のため、ほかの宗教の方は利用しにくいでしょう。

3-2.樹木葬、散骨などお墓以外の場所に葬る

今は、散骨などお墓以外の場所に遺骨を葬る人もいます。海や山へ遺灰や骨が撒かれる様子をテレビなどで見たことのある方もいるでしょう。樹木葬は最も新しい葬儀の方法です。墓石の代わりに樹木を植えることで、より自然に近い埋葬方法ができます。

また、管理も墓地に比べて簡単なので費用が安くすむことも魅力でしょう。樹木葬も散骨も遺族が管理をしなくてもよいのです。しかし、日本ではまだ散骨ができる場所や樹木葬を行ってくれる霊園が限られています。後で分骨をしたいと思ってもできません。

ちなみに、日本では無断で遺骨を山や海へ撒(ま)くと死体遺棄の罪に問われます。ですから、故人が「死んだらここに自分の遺骨を撒(ま)いてほしい」と遺言をしても、そこで散骨が認められていなければやってはいけません。

3-3.自宅供養

お骨は絶対にお墓に収めなければいけない、と法律で決まっているわけではないのです。ですから、遺骨をずっと自宅で供養されている方もいます。日本では、一般的に遺骨は骨壺(こつつぼ)に納めた上で白木の箱に入れ、風呂敷に包まれているのです。

また、地方によって骨壺(こつつぼ)の大きさは違いますが、スタンダードな大きさは両腕に抱えられるくらいでしょう。ですから、家の中にずっと置いておいても邪魔でしょうがない、ということはありません。しかし、供養をされていた方も亡くなられた場合は、遺骨の行き先を再度考える必要があります。

3-4.0葬

0葬とは聞きなれない名前ですが、通夜や葬儀などを一切行わないことです。0葬を希望される方が亡くなると、病院から斎場に直行し、そのまま荼毘(だび)にふされます。その後、斎場に遺骨の処分をお願いしてこれで終了です。

遺族に最も苦労も金銭的に負担をかけない葬送の方法として、注目を集めています。これならば、お墓もいりませんし法要をすることもないでしょう。日本では無宗教の方も多いので、聖職者や僧侶、神職に弔ってもらう必要性を感じないという方もいるのです。しかし、この方法は客死した身寄りのない方も弔い方と変わりありません。

また、斎場によっては遺骨の供養場所がなく、ほかのゴミと一緒に処分しなければならないところもあるでしょう。たとえ本人が希望しても、このような葬り方に納得しない遺族も多いのです。

4.大切なのは生前の話し合い

今、日本の家族の在り方は大きな転換期を迎えています。長男が後を継ぎ次男以下がそれを支える、というスタイルができる家はごく少数でしょう。子どもがいないご家庭や、いてもひとりっこというご家庭がこれからますます増えるはずです。ですから、家族が亡くなった後に慌てないように、ある程度の年齢になったら自分の死後のことを家族に伝えておきましょう。

特に、子どもがいない場合やいても全員遠くに暮らしている場合は、お墓を維持するのが困難になる可能性が高いです。永代供養は高額な費用がかかると前述しましたが、車1台分の値段程度になります。ですから、生活に余裕のある高齢者ならば、出せない金額ではありません。

また、独身で親族もいないという場合は、自治体が相談に乗ってくれる場合もあります。さらに、今は死後の後片付けをしてくれる業者もあるのです。ですから、亡くなった後のことを考えることはとても大切でしょう。日本では、昔から葬儀や死にまつわることを話題にすることをタブー視していました。しかし、今は、話し合って今後の方針を固めておくことが必要なのです。

5.おわりに

いかがでしたか?今回はお墓を作らない供養の仕方などをご紹介しました。永代供養も樹木葬なども、残された人々の迷惑をかけないことに重点が置かれています。また、今はお金を払えばお墓の管理を代行してくれる業者もいるのです。先祖代々の立派な墓もあるが、子どもが遠くで暮らしていて管理ができないという場合は、そのような業者に依頼をしながらお墓をどうするか考えてもいいでしょう。

ただし、お墓を別の場所に移す場合は必ず菩提寺(ぼだいじ)と相談してください。お寺にとっても檀家(だんか)がいなくなるのは、大変な痛手です。また、話し合いがこじれると高額な立ち退き料を請求されるケースもあります。ですから、お墓を移動させる場合は、まず菩提寺(ぼだいじ)に相談をしてください。宗派が同じお寺は横のつながりがあります。
ですから、移動の手助けをしてくれるケースもあるのです。