誰にでも可能性がある孤独死。予防対策や孤独死後の片付け方を解説

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誰にも看取られずに亡くなり、死後時間がたってから発見される孤独死は、それほど珍しいことではなくなりました。「自分が将来孤独死をするのではないか」「親が孤独死してしまったらどうしよう」と悩んでいる人も多いことでしょう。孤独死は、本人や家族の努力で、ある程度防ぐことはできます。
今回は、孤独死の予防対策や、万が一家族・親族が孤独死した場合の対処方法を解説しましょう。

  1. 孤独死とは何か
  2. 孤独死が増加している理由
  3. 孤独死の予防対策
  4. 肉親が孤独死した場合の対処方法
  5. 特殊清掃について
  6. 孤独死の予防対策に関するよくある質問
  7. おわりに

この記事を読めば、孤独死を防ぐためにできることがよく分かるはずです。1人暮らしをしている人や、親が1人暮らしをしている人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.孤独死とは何か

はじめに、孤独死の定義や現状を解説します。なぜ、孤独死が起こるのでしょうか?

1-1.孤独死とは何か

現在のところ、孤独死に明確な定義はありません。しかし、東京都監察医務院は不自然死(発見されたときに死亡原因が分からない死)のうち、自宅でなくなった1人暮らしの人の死を「孤独死」と定めています。ほかの自治体も、同じ定義としているところが多いでしょう。なお、1人きりで身寄りがいない人でも病院で亡くなった場合は、孤独死とは言いません。

1-2.孤独死の現状

東京都監察医務院の調べによると、2016年に東京23区内では4,604人が孤独死しました。そのうちの7割に当たる、3,175人が65歳以上です。一方、内閣府の高齢社会白書によると、1980年には全国で88万人だった65歳以上の1人暮らしが2010年には479万人に増えています。また、2035年になると65歳以上の1人暮らしは762万人以上に達すると予想されているそうです。つまり、今現在東京都だけでも毎年数千人が孤独死しており、高齢者が増えるにつれて全国的に孤独死が増え続けると予想されます。

1-3.孤独死の男女差

孤独死は男性が7割、女性が3割と言われています。男性は40歳から孤独死のリスクが高まっていき、70代前半がピークです。一方、女性の場合は80代で孤独死のピークを迎えます。男性のほうがより長期にわたって孤独死のリスクがあると言えるでしょう。

2.孤独死が増加している理由

この項では、孤独死が増加している主な理由を紹介します。どのような理由があるのでしょうか?

2-1.生涯未婚率の増加

生涯未婚率とは、50歳まで1度も結婚したことのない人の割合です。2015年の国税調査では、男性が23%・女性が14%と過去最高を記録しました。生涯未婚の人は、高齢になるにつれて1人暮らしの割合が増えます。つまり、孤独死のリスクも上がっていくことでしょう。

2-2.離婚率の増加

現在、日本では毎年20万組以上の夫婦が離婚しています。離婚しても子どもや親と暮らすという選択肢がありますが、1人暮らしになるという人も珍しくないでしょう。そうなると、高齢になるにつれて孤独死のリスクは上がります。

2-3.核家族の増加

現在の日本では、約87%の家族が親世帯と子世帯が別れて住んでおり、三世代で同居している家族は約6%にすぎません。親世帯が地方に住み、子世帯が東京や大阪といった都市部に住んでいるケースも多いでしょう。親世帯はやがて高齢化し、夫婦どちらかが亡くなり、1人暮らしになることも珍しくありません。親世帯と子世帯の距離が遠かったり、近くに住んでいても交流が少なかったりする場合は、親世帯の孤独死リスクが高まります。

3.孤独死の予防対策

この項では、孤独死の予防対策を紹介します。自分でもできることは、ぜひ参考にしてください。

3-1.地域で孤立しないこと

1人暮らしの人でも、家に尋ねてきたり電話をかけてきたりする人がいれば、孤独死するリスクは下がります。最近は、孤独死を防ぐために、地域で見守り活動をしている自治体も増えてきました。自治体のホームページでは、孤独死防止のために行っている市の取り組みが記載されているので、確認してみましょう。

3-2.仲間を作る

僅かなことでも気にかけてくれる仲間がいれば、孤独死するリスクは低下します。女性の孤独死が男性に比べて少ないのは、友人づきあいをまめに行う人が多いためでしょう。趣味の会などに所属するのも1つの方法です。また、インターネット上に仲間を作り、SNS等で連絡を取り合うのもいいでしょう。

3-3.かかりつけ医を持つ

かかりつけ医を持っていれば、体調を崩したときの対処が早くなります。痛みや苦しみを我慢しているうちに手遅れになってしまった、ということも減るでしょう。40歳を超えたら、特に具合が悪くなくても定期的に病院で健康状態をチェックしてもらいましょう。

3-4.規則正しい生活をする

バランスの取れた食事と規則正しい生活は、健康の源です。1人暮らしはどうしても食生活や生活習慣が乱れがちなので、宅配給食など利用できるものは積極的に利用しましょう。また、アルコールの摂取しすぎは禁物です。定年退職後、暇だからと朝から飲酒をするようになると、心身の健康に悪影響が出るので注意しましょう。

3-5.孤独死を回避するために利用できるサービスについて

現在、親の無事を離れたところで確認できるグッズやサービスが、次々と開発されています。たとえば、親が利用すれば子どもの携帯電話に連絡が行く電気ポットなどは便利です。また、ヤクルト・新聞・宅配給食など毎日家に配達してくれる物品のサービスを利用すれば、人との交流が生まれ、孤独死リスクが下がるでしょう。

4.肉親が孤独死した場合の対処方法

この項では、肉親が孤独死してしまった場合の対処方法を解説します。どのようなことをしなければならないのでしょうか?

4-1.かかりつけ医や警察に連絡する

肉親が孤独死しているのを発見した、もしくは大家さんから連絡がきたら、かかりつけ医がいるか調べてください。かかりつけ医がいる場合、持病の悪化が原因で死亡したと分かれば、死亡診断書を書いてもらうことが可能です。事故死、もしくはかかりつけ医がいない場合は、警察に連絡をして死因を調べてもらいます。事件性がないと分かるまで、遺族が事情を聞かれることもあるでしょう。

4-2.遺体を引き取るかどうかを決める

孤独死をする人は、家族との縁が薄い人も珍しくありません。縁がすでに切れていると思っていた肉親の遺体を引き取るように、連絡がくることもあります。遺体の引き取りは拒否することも可能です。ただし、火葬や埋葬の費用は肉親に請求されます。引き取りを決めた場合は、葬儀社に依頼して遺体を安置する場所や搬送手段を確保しましょう。死亡届を出すことができれば、葬儀をせずに火葬だけをすることもできます。詳しくは、葬儀社に相談してください。

4-3.部屋の片付けをする

孤独死をした人の部屋は、ひどく散らかっていることも珍しくありません。故人が賃貸物件に住んでいた場合は、可能な限り早く原状回復を行うことが大切です。賃貸物件の保証人になっていなくても、肉親ならば大家や管理会社から清掃と不用品処理を求められることが多いでしょう。部屋の状態によっては、専門の業者に清掃と不用品の処分を依頼してください。

5.特殊清掃について

この項では、孤独死の現場で行われる特殊清掃を紹介します。通常の清掃との違いはなんでしょうか?

5-1.特殊清掃とは何か

特殊清掃とは、孤独死等の現場から遺体の痕跡を取り除き、必要ならば原状回復を行う清掃業務のことです。孤独死をすると、発見されるまで長い時間がかかることもあります。その結果、遺体の損傷が激しくなり部屋がひどく汚れてしまうこともあるでしょう。また、このような場所では感染症の危険もあります。そのため、一般のハウスクリーニング業者には依頼できません。特殊清掃に必要な器具と豊富な知識を持つ専門の業者に依頼しましょう。

5-2.特殊清掃を依頼する業者の選び方

特殊清掃を請け負う業者は、インターネットやイエローページを利用して探しましょう。特殊清掃を請け負う業者は、年々増加しています。特殊清掃だけを請け負う業者もあれば、遺品の整理や回収まで行ってくれる業者までその種類はたくさんあるでしょう。そのため、まずは業者にどこまで依頼したいのかを決め、求めるサービスに応じてくれる業者を探してください。依頼は、電話やメールで行います。多くの業者が即日対応してくれるので、まずは見積もりを作成してもらいましょう。

5-3.特殊清掃の相場について

特殊清掃の料金は、部屋の広さや荷物の量・汚れ具合によって異なります。だいたい数万円~と覚えておけば参考になるでしょう。大型トラック何台もの遺品回収を依頼しない限り、驚くほど高額ということはありません。見積金額に納得がいかない場合は、複数の業者から見積もりをとり比べてみてもいいでしょう。

5-4.注意点

孤独死の現場にあったものは、体液等がついていなくても感染の危険があります。普通の家庭ゴミではなく、「医療廃棄物」として処分する必要があるので、お金を節約したいからという理由で勝手に処分しないようにしましょう。ただし、特殊清掃後に「普通のゴミとして処分しても大丈夫」と言われた場合は、問題ありません。

6.孤独死の予防対策に関するよくある質問

Q.肉親がいないのですが、死後の片づけを業者に依頼することはできますか?
A.はい。今は生前に依頼すれば死後、荷物を片づけてくれる業者も増えてきました。生前に綿密な打ち合わせをし、依頼することが大切です。

Q.すでに何年も音信不通の肉親がいますが、いきなり遺体の引き取りなどの連絡が来ることはありますか?
A.はい。その人と血縁が近いほど連絡が来る可能性が高いでしょう。親・子・兄弟はできるだけ連絡を取り合っておくことが大切です。

Q.今まで会社と家の往復しかしてこなかったのですが、地域に溶け込むことはできるでしょうか?
A.はい。記事中でご紹介したように、孤独死を防ぐ取り組みをしている自治体は増えてきています。自治体主催の会などがあれば、参加してみるといいでしょう。

Q.料理が全くできないのですが、どうしたらいいですか?
A.宅配給食などを利用するのもいいでしょう。自炊よりも経済的で、バランスのよい食事ができます。

Q.ケアハウスなど高齢者用の住宅に移り住めば、孤独死は防げるでしょうか?
A.孤独死のリスクは下がりますが、ケアハウスの入居条件はさまざまです。まず、入居できそうなケアハウスを早めに探しましょう。

7.おわりに

いかがでしたか? 今回は孤独死の現状や予防対策を解説しました。孤独死は、これからも増えていくと予想されています。自分も孤独死をする可能性があると考えている人は、早めの対策を取っておきましょう。特に、男性は30代のうちに、ある程度準備を整えておくと安心です。