死後離婚のメリット・デメリットが知りたい! 方法や注意点について

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配偶者が亡くなった後に、夫婦関係を解消することを「死後離婚」といいます。近年、死後離婚するケースが増えており、テレビなどのメディアでも言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。世間に広く知れわたったことで死後離婚を考える人もいますが、メリット・デメリットをきちんと把握しておかなければなりません。

本記事では、死後離婚の基礎知識や方法、メリット・デメリット、防ぐための手立てについて説明します。

  1. 死後離婚とは?
  2. 死後離婚の方法
  3. 死後離婚のメリット・デメリット
  4. 死後離婚を防ぐための手立て
  5. 死後離婚に関してよくある質問

この記事を読むことで、死後離婚の基礎知識やメリット・デメリットついて詳しく知ることができます。知りたい方や検討中の方は、ぜひ参考にしてください。


1.死後離婚とは?

死後離婚とは、一体どのような内容なのでしょうか。ここでは、概要や発生する理由・起こりやすい環境について説明します。

1-1.死後離婚の定義

配偶者が亡くなった後、その相手側との関係を解消することを「死後離婚」といいます。しかし法律上は、配偶者が亡くなると離婚することはできません。死後離婚は造語であり、離婚届ではなく、姻族関係終了届(いんぞくかんけいしゅうりょうとどけ)という書類を提出して手続きを行います。法的な離婚ではありませんが、意思表示を行うことで、離婚と同様の形態を取ることが可能なのです。

また、姻族関係とは、結婚で配偶者と婚姻関係になるとともに、配偶者の両親や兄弟などの血族との姻戚関係が結ばれることで、血のつながりがなくても親戚関係になります。
死後離婚の手続きが完了すれば、結婚によってできた義理の両親・兄弟など、配偶者側の家族との関係を絶つことが可能です。

1-2.死後離婚が増えている理由

近年、死後離婚を行うケースが増えています。平成27年では、姻族関係終了届を提出した件数が、およそ2,800件となりました。平成18年度のときよりも倍以上の数になっているのです。なぜ、今になって死後離婚が増えているのか、その理由は、現代社会の考え方と関係しています。女性の社会進出が進むと同時に、女性が家庭に入るという考え方が変わりつつあるのです。親の世代が思い描く嫁の役割と、現代の考え方にギャップが生まれました。
実際に、死後離婚を実行した人によると、「元配偶者の両親と関係を断ちたい」「介護をしたくない」という理由があります。

1-3.死後離婚が起こりやすい環境

死後離婚が起こりやすい環境は、親戚との関係性が大きく関係しています。義理の両親や兄弟との関係がうまくいかず、疎遠になっている場合に、死後離婚を決意する方が多いようです。また、配偶者との関係が悪く、「死後、同じ墓に入りたくない」と理由で死後離婚を行うケースもあります。配偶者や義理の両親・兄弟との関係が悪い場合が当てはまるでしょう。

2.死後離婚の方法

死後離婚をするには、どのような手続きをしなければならないのでしょうか。それでは、詳しく説明します。

2-1.姻族関係終了届について

最初に知っておいてほしいのが、姻族関係終了届を提出しなくても、夫婦間の婚姻関係はどちらかの片方が亡くなると終了することです。死亡した時点で婚姻関係はなくなるため、離婚届は必要ありません。しかし、配偶者の血族との関係は継続されることになるため、関係を解消したい場合に「姻族関係終了届」を提出することになります。

姻族関係終了届は、配偶者の承諾なしでできますが、死亡した配偶者の氏名と本籍・死亡年月日を記入しなければなりません。必要事項を記入した後、本籍地もしくは住居地の市区町村に提出すれば手続き完了です。詳細は、自治体へ確認すると良いでしょう。

2-2.手続きの注意点

死後離婚の手続きをしても、戸籍には何も反映されません。よって、姓と戸籍は婚姻関係を結んだときの状態のままです。結婚前の姓と戸籍に戻したい場合は、ほかに「復氏届」を提出しなければなりませんので注意してくださいね。手続きで分からないところがあれば、市区町村に尋ねると良いでしょう。

また、姻族関係終了届は、いわゆる公的な絶縁状です。そのため、「義理の両親から了承を取らなければならないのでは」と思いがちですが、本人の意思だけで提出できます。提出日から姻族関係は終了となるので、縁は切れるのです。

3.死後離婚のメリット・デメリット

死後離婚を行う前に、メリット・デメリットそれぞれをきちんと把握しておかなければなりません。また、相続・遺族年金についても詳しく説明します。

3-1.相続・遺族年金について

姻族関係終了届を提出したからといって、配偶者の遺産が相続できないわけではありません。姻族関係終了届は、相続権に影響するものではないため、受け継いだ相続分を返却する必要はないのです。そのまま受け取ることができるので、安心して義理の親族との関係を終わらせることができるでしょう。その理由もあって、姻族関係終了届を提出する方が増えています。

また、配偶者が亡くなった後、自動的に婚姻関係が終了しても遺族年金の受給が可能です。姻族関係終了届を提出しても、遺族年金の継続手続きを社会保険庁で行えばもらうことができます。

ただし、生前に離婚した場合は、遺族年金がもらえないので注意してください。

3-2.メリット

死後離婚の大きなメリットは、主に2つあります。1つ目は、縛り付けられていたものから解放されて自由の身になれることです。夫婦の関係は良好でも、相手側の親族との付き合いに悩んでいた方は多いでしょう。配偶者の死後は、その悩みから解放されます。法律上、扶養や介護の義務がなくなるので、自分らしく自由気ままな生活ができるようになるのです。

そして、2つ目は、配偶者の遺産を引き継ぎ、遺族年金も継続して受け取ることができる点でしょう。配偶者が亡くなっても、遺産の相続・遺族年金の継続によって、安心して生活が送れます。もし、姻族関係終了届を提出することで遺産も遺族年金ももらえない場合は、ほとんどの方が提出しないでしょう。生活が保証されるという安心感が、死後離婚を後押ししているといえます。

3-3.デメリット

死後離婚をすることで得られるメリットは大きいですが、デメリットもあるので注意しなければなりません。死後離婚のデメリットは、配偶者の葬儀・その後の法要問題です。姻族関係終了届を提出するタイミングによっては、出席したくてもできなくなる可能性があります。相手側の親族と縁を切ることになるため、出入りを拒絶されるおそれがあるのです。気まずい関係になることは間違いありません。

また、配偶者との間に子どもがいる場合は、姓や親族関係をどうするのか話し合う必要があります。基本的に、届出本人と親族の関係は切れますが、子どもと配偶者の血族との関係には何の影響も与えません。つまり、血のつながりのある祖父母の介護義務が、子どもに残ることになってしまいます。死後離婚をすることで、子どもにどのような影響を与えるのかについても、きちんと考慮しておかなければなりません。

4.死後離婚を防ぐための手立て

自分が亡くなったとき、配偶者が自分の親族と関係を断ち切ることになれば、両親のお世話は誰がしてくれるのでしょうか。1人っ子の場合は、お世話をしてくれる人がいなくなるので不安になるはずです。いなくなった後に、配偶者が死後離婚をしないためには、できることと気をつけることがありますよ。

4-1.できること

自分がいなくなった後、配偶者がどのような行動を起こすのか知る術がありません。死後離婚を防ぐためには、生きている間にしなければならないことがあります。それは、夫婦間で抱えている問題を一緒に解決することです。配偶者が、自分の両親や親族に対する不安を抱えているのであれば、話し合いましょう。配偶者に気持ちを聞いて、理解の意志を示すことが大切です。

死後の付き合い方や両親に関しては、なかなか話を切り出しにくいところがありますよね。話題にしにくい内容だからこそ、夫婦できちんと話し合い、お互いの気持ちを理解しなければなりません。相手の人生について真剣に考える姿勢が大切です。

4-2.気をつけること

死後離婚を防ぐために気をつけることは、配偶者の悩みを無視しないことです。「面倒くさいから」「夫婦関係が悪いから」と、見て見ぬフリはしないでください。たとえ、表面上は明るくしていても、内面には大きな不安とストレスを抱えているかもしれません。自分が亡くなったときに、配偶者がどのような状態になるのか、きちんと考えることが大切です。

また、配偶者が亡くなった後は遺品整理を行わなければなりません。身のまわりにあるものが多ければ多いほど、配偶者の負担になってしまいます。死後離婚を防ぐためには、配偶者の負担を減らす努力も必要です。作業の負担をなくすためにも、生きている間に整理整頓を心がけましょう。

不用品の量が多い場合は、業者に依頼するのも選択肢の1つです。業者に依頼すれば、時間と手間をかけずにスムーズに片づけることができますよ。生前・遺品整理を行っている「ファンデックス」では、不用品の高価買い取りも可能です。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

5.死後離婚に関してよくある質問

死後離婚に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。検討している方は、ぜひチェックしてくださいね。

Q.姻族関係終了届はどこで手に入るのか? 期限はあるのか?
A.姻族関係終了届は、各自治体のホームページや窓口で入手できます。自治体によっては、なりすまし防止のために、ダウンロードを禁止しているところもあるので注意してください。入手方法や提出方法は、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。また、姻族関係終了届に期限はありません。配偶者の死亡届が受理されたら、いつでも届出をすることができます。

Q.子どもがいる場合に死後離婚を行う際の注意点は?
A.死後離婚を行った後、配偶者の血縁者に強気な態度を取るのはNGです。子どもは亡くなった配偶者の血族との関係が続くため、子どもに悪影響をおよぼす可能性があります。子どもを守るためには、血族との溝が深まるような行動や振る舞いは避けるべきです。

Q.死後離婚を行うのは男女どちらが多いのか?
A.夫が亡くなったときに、死後離婚の手続きを行う妻がほとんどです。仲の悪い姑(しゅうとめ)との関係を切りたい・第2の人生を楽しみたい・介護をする体力がないという理由で、死後離婚をします。妻が不安を抱えている場合は、夫がきちんと話を聞いてあげることが大切ですよ。一緒に不安を解消するための努力をしましょう。

Q.届出したことを自分で知らせなければならないのか?
A.一般的に、姻族関係終了届は、自分で伝えなければ相手の親族に伝わりません。たとえば、義理の両親が元気なうちに姻族関係終了届を提出したとします。介護が必要になったとき、配偶者であるあなたに介護を求めるかもしれません。しかし、姻族関係終了届を提出ているので、介護をしたくない・関係を断っているという旨を伝える必要があります。相手が困っている状態でカミングアウトしなければならない可能性があることを、覚えておきましょう。

Q.再婚した場合、遺族年金は受け取れないのか?
A.再婚した場合、例外なく遺族年金は失権となるため、受け取ることができません。しかし、親の再婚が原因で子どもが失権することにはならないのです。子どもの年齢によっても、受給可否の状況が大きく変わるため、弁護士や自治体などで確認したほうが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 死後離婚は、配偶者が亡くなった後に「姻族関係終了届」を提出して、配偶者の血族と縁を切ることです。基本的に、配偶者が亡くなった瞬間に夫婦間の婚姻関係は終了します。しかし、亡くなった配偶者の血族との関係を絶つことはできないので、義理の両親の介護をしなければならないというケースになるのです。死後離婚を防ぎたいのであれば、生きている間に、きちんと夫婦で話し合っておかなければなりません。自分がいなくなったときのことを考えて、配偶者がどのような生活を送るのかイメージしましょう。話題に出しにくい内容だからこそ、きちんと話し合う時間が大切なのです。