キリスト教式の葬式の流れとは ~日本流とは違う部分をチェック!~

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今では、日本でもキリスト教を信仰している方が多くいます。キリスト教信者の方が亡くなれば葬式もキリスト教の流れに従うことになるもの。しかし、キリスト教の葬式の流れはなじみないものです。そこで、キリスト教式の葬式の流れをチェックしておきましょう。

  1. キリスト教葬儀の特徴
  2. キリスト教葬儀の費用
  3. カトリック葬儀の流れ
  4. プロテスタント葬儀の流れ
  5. まとめ

1.キリスト教葬儀の特徴

日本ではなじみの薄いキリスト教の葬式。まずは、キリスト教の葬式がどのようなものなのかチェックしておきましょう。

1-1.キリスト教は大きく分けて2つある

キリスト教は、大きく分けて2つの宗派に分かれます。その宗派とは「カトリック系」と「プロテスタント系」です。
カトリック系は、全世界に10億人以上の信者がいる大きな宗派。歴史ある伝統的な宗教の1つでバチカンに総本山があります。儀礼を重んじるのが特徴で聖水をそそぐ撤水や聖歌を歌うのもカトリックです。カトリックの聖職者は司祭や神父と呼ばれます。
これに対してプロテスタントは、全体的に儀式や流れが簡略化してある宗派。プロテスタントでは、カトリックよりも聖書を読んだり祈りをささげたりすることを大事している宗派です。
しかし、プロテスタントはさらに多くの宗派へ別れて違いが細かくなっております。プロテスタント系の方の葬儀時は注意しましょう。

1-2.葬式自体よりも「死の迎え方」を重視する

日本では形式的な葬式の手順や作法を大事にします。これに対してキリスト教では、葬式の流れよりも「死の迎え方」を大事にするのです。
日本では、葬儀を行うためにお坊さんを呼びます。これに対してキリスト教では、人が危篤状態になった段階で司祭を呼んで祈りをささげるのです。司祭の言葉によって神の元へ向かうことが重要となっています。この考えは、キリスト教の考え方に基づいているのです。
キリスト教では、死は命の終わりではなくて神の元へ向かう「帰天」、「召天」と言われています。死とは、神の元へ訪れて来るべき「復活の日」まで天国で過ごすきっかけと考えられているのです。

1-3.家族・親族ではなくて「教会」が単位になっている

キリスト教の葬儀では、信者とその家族を対象にしています。キリスト教では各地域の教会で洗礼を受けた後、その教会に所属することになるのです。そのため、教徒や信者の人が危篤となった場合、危篤となった信者が所属する教会の司祭に来てもらいます。また、司祭が祈った後の葬儀では、親族だけでなく教会に所属する人たちもお手伝いやお見送りをするのが通例です。

1-4.通夜という概念がない

日本では当たり前に行っている通夜。しかし、キリスト教では通夜がありません。現在、日本でキリスト教信者が葬儀を行うときの通夜は、日本独自のものとなっています。
カトリックでは、通夜の代わりに「通夜の祈り」を行うことになっているもの。また、プロテスタントでは「前夜式」と呼ばれる賛美歌の斉唱を行います。

2.キリスト教葬儀の費用

なじみのないキリスト教では、どれぐらい葬儀の費用が掛かるのかもわからないもの。では、実際どれぐらいの費用が掛かるのか知っておきましょう。

2-1.キリスト教の葬儀は日本よりも安い?

日本の葬儀費用は、ほかの国に比べて高いと言われています。イギリスでは10万円、アメリカでは40万円が平均です。これに対して日本では、200万円ほど掛かると言われています。
日本で葬儀を行うとき、お坊さんへのお布施や戒名が必要となるもの。さらに、通夜の振る舞いや香典返しが必要となります。このような費用がかさむことで日本の葬式における平均費用が高くなっているのです。

2-2.キリスト教における費用の相場

では、キリスト教信者の多い欧州やアメリカでは、どうして葬式に掛かる費用が安いのでしょうか。
キリスト教では、戒名などは必要なくお祈りや儀式の進行が主となります。これに対する謝礼も日本に比べると安くなっているのです。
また、キリスト教では基本的に通夜がないため費用もカットできます。平均して40~60万円あれば葬儀に出せるのが特徴です。

3.カトリック葬儀の流れ

日本の葬式とはまったく違うキリスト教の葬儀。では、カトリックはどのような流れで葬式を行うのかチェックしておきましょう。

3-1.危篤状態になったとき

カトリックでは、危篤状態に近い段階で司祭を呼んでお祈りをします。
お祈りのため司祭は、枕元に白い布で裁断を作り十字架、聖油ツボ、聖体、水、タオルなどを枕元に用意するのも。しょく台も置いた後、危篤状態の人の額に手を置いてお祈りをします。この儀式を行うことで危篤状態の人は罪を許され恵みが与えられると言われているのです。
祈りの後、病院で亡くなったときはご遺体を搬送します。カトリックの葬儀は、原則として教会で行われるもの。一時的に自宅に搬送して安置した後、納棺や通夜際を営むのが一般的となっています。

3-2.納棺式を行う

自宅にご遺体を搬送した後は、司祭を中心に遺族や近親者が囲んで祈りと聖書朗読を行うのが一般的です。
その後、聖歌を斉唱して聖水を振り掛けます。聖水は、司祭が祈とうして清めた水のこと。聖水によってご遺体が清められた後、遺体を納棺して花で飾ります。

3-3.出棺式

カトリックでは、葬儀を教会で行うのが一般的です。ご遺体を自宅にて納棺した際は、葬儀のため教会へ向かうことが「出棺式」に当たります。出棺式のときは、神父に自宅へ来てもらうのが一般的です。
出棺式では、神父が祈りをささげると共に故人と最後の別れをします。その後、神父と共に棺(ひつぎ)を教会へ運ぶのです。

3-4.葬儀

日本における葬儀は、カトリックでは入堂式・ミサ聖祭式・赦祈式の3つに分けられます。基本的に告別式に当たるものは行われません。

  • 入堂式…日本の仏式葬儀の「開式の辞」に当たります。聖歌演奏の中、司祭の先導で棺(ひつぎ)が教会に運ばれます。
  • ミサ聖祭式…カトリックの中で最も荘厳な儀式。故人がカトリック信者のときだけ行われます。司祭と共に参列者が「死者のためのミサの祈り」を唱(とな)え、キリストへの感謝と故人の安息を祈ります。
  • 赦祈(しゃとう)式…赦祈(しゃとう)式とは、故人の生前の罪を神に許してもらって帰天することを祈る儀式です。故人がカトリック信者でない場合は、この赦祈(しゃとう)式が葬儀となります。

3-5.火葬・埋葬をする

キリスト教では、基本的に土葬することになっているもの。しかし、日本では土葬を禁じているので棺(ひつぎ)を火葬場へ移すことになるのです。
火葬場に着いた後、参加者で聖歌を合唱してから火葬します。火葬後、骨を拾う作法はキリスト教にはありません。はし渡しや骨を直接ツボに納める必要もないので安心しましょう。火葬した骨をそのまま土に埋めるケースもあります。また、自宅に持ち帰って後に埋葬するケースが多いのです。

4.プロテスタント葬儀の流れ

カトリックとプロテスタントでは、葬儀の流れが違います。その違いについて知っておきましょう。

4-1.危篤状態のとき

プロテスタントでも信者が危篤状態のとき、牧師がやってくるもの。このとき、牧師は信者の唇にブドウ酒を与えて神の元への昇天と安息を祈ります。
病床の枕飾りは、カトリックに比べると簡素でしょく台も1本だけです。また、布の色も黒色となります。

4-2.搬送から納棺まで

プロテスタントでも信者が亡くなった後、速やかに自宅へ搬送して納棺の儀式がとり行われるものです。
納棺式では、牧師の元で遺族・親族が聖書朗読を行って遺体を納棺します。納棺するときは、白い花とガウンを掛けるのです。納棺するときは、くぎ打ちはせずに黒い布でおおいます。その後、白い花で作った十字架を飾るのです。

4-3.前夜祭を行う

プロテスタントでは、日本の「通夜」に当たる前夜祭を行います。信者が亡くなった翌日に賛美歌斉唱や聖書を朗読するのが一般的です。
牧師が故人に対する説教を行った後、参列者による献花を行います。最後に遺族が挨拶をして終わるのです。この後、日本のように「通夜振る舞い」は行いません。牧師や遺族、親族で簡単にお茶を飲みながら話すだけでお酒もないのが特徴です。

4-4.出棺から葬儀まで

自宅から出棺した後、教会にて葬儀を行います。しかし、カトリックのような厳格な儀式はありません。また、遺族や親族は何も準備しなくて大丈夫です。すべて牧師や協力者、信者の人たちが準備してくれます。
カトリックの葬儀と違うのは、聖書朗読が多いところと弔電・弔辞が参列者の有志で読まれるところ。また、喪主が遺族代表として挨拶します。こうした流れは、日本の告別式と似た部分が多いのでやりやすいでしょう。

4-5.火葬について

火葬における儀式は、カトリックとほぼ変わりません。違う部分は、火葬炉の前で生花を飾る点ぐらいとなっています。
火葬の後に骨上げをしない点も同じ。骨上げをせずにいちど自宅に持ち帰るケースが多くなっています。プロテスタントでは、人が亡くなった日から7~10日、30日目に行う「昇天記念日」に骨を土へ還(かえ)す人が大半です。

5.まとめ

いかがでしたか? この記事ではキリスト教における葬儀の方法についてまとめました。
キリスト教では、日本と違って危篤状態のときにお祈りをささげます。また、日本で言うところの「通夜」がありません。
キリスト教のカトリックでは、出棺して葬儀をする際は荘厳な儀式を行います。故人の生前の罪をしっかり許してもらい天国で暮らせるように儀式を行うのです。
また、プロテスタントの葬儀では日本の「告別式」に近い形で進みます。賛美歌や聖書朗読と共に弔電や弔辞なども行うのです。また、葬儀の準備は信者や協力者の方々が行ってくれるので安心な葬儀となっています。