
仏像の処分は供養がカギ! 仏像を安心して処分する方法
2018/01/31
実家に残された仏壇を処分するとき、ご本尊の仏像はどう処分したらいいのでしょう? 仏像は、単なる置物ではなく、これまで先祖が祈りを捧げてきたものです。事情により仏壇を引き継ぐことはできなくても、仏像をごみとして捨てる心情にはなれないでしょう。
この記事では、自分も親族も納得できる仏像の処分の方法を紹介します。
この記事を読むことで、仏像を処分する迷いがなくなるでしょう。ぜひ参考にしてください。

1.仏像を処分したい
仏壇に安置されている仏像から、人からいただいた仏像まで、さまざまな仏像を処分する方法を紹介します。
1-1.どんな場合に
どんな場合に仏像の処分が必要になるのか、ピックアップしてみました。
- 親が亡くなり、仏壇を継ぐ人がいなくなった
- 実家の仏壇を引き継いだが、大きすぎるので小さいものに買い替えたい
- 実家から離れて暮らしているため、檀家のつきあいができない
- 親が生前個人的に信仰していた宗教の仏像をどう扱っていいかわからない
- お土産でもらった仏像を処分したい
1-2.仏像の種類について
仏壇の中央に安置されている仏像がご本尊です。宗派によって異なりますが、阿弥陀如来(あみだにょらい)・大日如来(だいにちにょらい)・釈迦如来(しゃかにょらい)の三尊のうちいずれかがまつられています。丁寧なスタイルだと、本尊の両脇に脇侍(きょうじ:本尊を助ける役割)の仏像が安置されていることもあるでしょう。多くの場合は、絵像の掛け軸がかけられています。
また、木彫・金属(鋳造)・陶器・石などさまざまな素材でつくられるため、処分するときは注意が必要です。
1-3.注意点
仏像は一度処分してしまうと二度と元の姿に戻すことはできません。仏壇の本尊や形見の品などの場合は、後でもめないように、家族や親族全員の合意を得た方がいいでしょう。
2.仏像の処分はどうしたらいいか?
仏像の処分方法について説明します。
2-1.ゴミとして出していいか
仏壇に安置されている仏像は、始めに、魂を入れる儀式(開眼法要:かいげんほうよう)を経ているため、単なる造作物として処分することはできません。お土産物や手づくりの仏像には、魂が込められているかは分かりませんが、その場合は、他の人形と同じ扱いで考えるとよいでしょう。
2-2.供養について
仏像を処分する際には、菩提寺(ぼだいじ)の僧侶にお願いし、魂を抜く「閉眼法要」をしていただくといいでしょう。僧侶にお経を唱えてもらい、仏像はお焚き上げ(おたきあげ)してもらいます。
2-3.閉眼法要について
閉眼法要は、「御魂抜き(みたまぬき)」「お精抜き(おしょうぬき)」「お性根抜き(おしょうねぬき)」などともいわれるものです。これは、仏像に宿っている魂を抜く儀式となります。お墓や仏壇・位牌(いはい)に対しても、同様の供養が行われるのです。
2-4.注意点
宗派によっては、教義の違いにより、「閉眼法要」を行わない場合もあります。たとえば、浄土真宗の場合は、閉眼法要ではなく、「遷仏法要(せんぶつほうよう)」です。浄土真宗では、魂を入れたり抜いたりという概念がありませんが、僧侶にお経を唱えてもらうことに変わりはありません。
3.仏具店や寺に仏像の処分を依頼する方法
実家から遠く離れて住んでいる場合など、菩提寺に仏像の供養を頼めない場合は、どこに頼めばいいのか説明します。
3-1.仏具販売業者などに依頼する方法
仏像の処分は、最寄りの仏具販売業者に相談してもいいでしょう。特に、新しい仏壇に買い替える場合などは、古い仏壇の引き取りと一緒に仏像も処分してもらえる可能性があります。
買い替えの予定がない場合には、近隣にある同じ宗派のお寺に相談してみるといいでしょう。
3-2.料金など
閉眼法要をお願いする場合、お寺にお渡しする謝礼をお布施(おふせ)といいます。この金額は、決まっているわけではないため、悩ましいところです。一般的には、仏像1尊につき10000~50000円程度で供養してもらうことができるでしょう。
3-3.メリットとデメリット
菩提寺と親しい間柄の場合には、安心感があり、親せきにも納得してもらいやすいでしょう。デメリットは、自分ですべて手配しなければない点です。遠方の場合は大変でしょう。
4.不用品回収業者に頼む場合
仏像の処分は、遺品整理が得意な不用品回収業者に依頼することもできます。
4-1.業者選びのポイント
最近は、遺品整理業者が増えてきて、中には悪徳業者とトラブルになるケースも報告されています。次のポイントを参考に業者を選ぶといいでしょう。
- 遺品を丁寧に扱ってくれるか
- 問い合わせや見積もりの受け答えが丁寧か
- 見積もり金額を明確に提示できるか
- 遺品供養に対応しているか
- 遺品整理士が在籍しているか
4-2.メリット、デメリット
遺品整理専門回収業者に依頼するメリットは、仏像だけでなく、他の遺品も整理することができることです。自分たちだけでは時間がかかってしまう遺品整理も、スムーズに進めることができます。デメリットは、不用品の処分にお金がかかることでしょう。
4-3.料金
「ファンデックス」の場合、間取りが1Kの遺品整理サービスは、2名の作業員で34800円よりできます。作業に応じて料金が異なるため、あらかじめ見積もりを取りましょう。
4-4.注意点
「ファンデックス」では遺品供養も実施しています。年に数回行われる合同供養は追加料金なしで実施できるため、希望の場合は相談してみましょう。個別で供養をしてほしい場合には、オプション料金がかかります。
5.よくある質問
Q.回収業者の供養に立ち会うことはできまるでしょうか?
A.遺品整理ファンデックスでは、現場供養のオプション利用により、僧侶が自宅まで伺って供養することができます。
Q.近所のお寺に聞いたところ、「精抜きはしますが、処分は個人で」といわれました。この場合、精抜きした後はごみとして処分してもいいのでしょうか?
A.ゴミとして処分しづらいようでしたら、遺品整理ファンデックスの遺品供養をご利用いただけば、お焚き上げもできます。
Q.お土産でもらった仏像も手放すときには供養したほうがいいですか?
A.飾り物として売られていたものなら、人形と同じ扱いでいいでしょう。
Q.うちの仏壇には仏像ではなく掛け軸が掛かっています。こちらも供養が必要ですか?
A.日蓮宗では本尊として曼荼羅(まんだら)をまつります。仏像ではありませんが、本尊として同じように供養したほうがいいでしょう。
Q.悪質な業者は、どのようなトラブルを起こしているのですか?
A.価値あるものをゴミとして処分してしまったり、貴重品の持ち去りなどのトラブルが報告されています。トラブルに巻き込まれたら、消費生活センターへご相談ください。
まとめ
遺品整理は体力も気力も必要です。仏像を処分するという体験は、一生のうちに何度もすることではないので、慎重に後悔しないように業者を選びましょう。