生前贈与のメリット・デメリットは?スムーズに行うためのポイント

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「生前贈与」とは、自分名義の財産を生きているうちに配偶者や血縁者へ相続させることです。財産の種類や使い道によっては、死後に相続するよりもメリットがあるでしょう。しかし、相続の仕方によってはデメリットの方が大きくなる場合もありますし、相続とみなされないこともあるのです。

そこで、今回は生前贈与のメリットとデメリットの代表的なものをご紹介しましょう。生前贈与を行いたいという方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてくださいね。

  1. 生前贈与とは?
  2. 生前贈与の条件とは?
  3. 生前贈与のメリット・デメリットとは?
  4. 生前贈与をスムーズに行うコツとは?
  5. おわりに

1.生前贈与とは?

生前贈与とは、前述したように自分の財産を生前に配偶者や子や孫などの血縁者へ相続させる制度のことです。通常、自分名義の現金や土地家屋、有価証券などの財産は死後に法律に沿って配偶者や血縁者に相続されます。しかし、財産の内容や額によっては遺族の間で争いが起こることもあるでしょう。それを防ぐために遺言状を書くという方法がありますが、それでも法律で定められた分の遺産相続の権利は主張できます。そのため、「遺言書はあるけれど内容を不服とした遺族が法律に沿った遺産分配を主張し、相続が進まない」といったことも起こるのです。

また、子どもや配偶者がいる場合は孫に相続権はありません。しかし、事情があって「孫に必ず遺産を相続させたい」という方もいるでしょう。そのような場合、生前贈与をすれば確実に遺産を相続させられるのです。

2.生前贈与の条件とは?

では、生前贈与はいつ、誰でも行えるものなのでしょうか? この項では生前贈与とみなされる条件に付いてご紹介します。

2-1.生前贈与は誰にでも行えるの?

生前贈与はいつ、誰にでも行えます。ただし、贈与した財産が「相続」と認められるには、条件があるのです。

  • 送り手と受け手が「財産を贈与します」「受け取ります」という意思表示を明確にしていること。
  • 財産を受け継いだ人が、それを自由に使うことができること。

この2点がそろっていなければ、たとえ金銭を受け渡しても「生前贈与」とは認められません。たとえば、親が子どもの名義で通帳を作りそこにお金を振りこみ続けても、子どもがそのお金を自由に使えなければ生前贈与とはみなされないのです。

2-2.どんな人にも生前贈与を行えるの?

生前贈与は、基本的に配偶者と血縁者に行えます。孫など、死後に遺産分配をすると相続権がない人にも、生前贈与を行えるのです。さらに、両者の間に合意が成立すれば全く血縁関係がない第三者にも生前贈与を行うこともできるでしょう。ただし、生前贈与を行うと「贈与税」がかかります。贈与税は金額が大きいほど税率もアップし、50%を超える場合もあるのです。

また、贈与税は土地家屋を相続した場合にもかかりますから、不用意に生前贈与を行うとかえって損になるのでしょう。今は、相続税が軽減される法律もいろいろありますが、適用するには条件があります。ですから、生前贈与を行う前は法律や軽減の条件をよく確認して行いましょう。

3.生前贈与のメリット・デメリットとは?

では、生前贈与にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか? 前項でも少し触れましたが、この項ではより詳しくご紹介します。

3-1.生前贈与のメリットとは?

生前贈与を正しく行えば、死後に財産を分配する遺産相続よりも税金を減らせます。つまり、遺産の減少を防げるのです。

また、相続権のない孫などに確実に遺産を渡したいという場合にも、生前贈与は有効でしょう。将来値上がりが見こめそうな資産を持っている場合、早めに相続させておくことで資産を有効活用できます。財産を持っている人が生きているうちに財産を分配することで、相続争いも起こりにくくなるのです。

3-2.生前贈与のデメリットとは?

前述したように、生前贈与には「贈与税」という税金がかかります。この税率は相続税よりもずっと高額なため、不用意に生前贈与を行うとかえって資産が減ってしまうかもしれません。贈与税を軽減する法律はたくさんありますが、それぞれ条件が異なっています。ですから、「治る見こみのない病気になったので、一刻も早く生前贈与をしておこう」というわけにはいきません。

また、「生前贈与をしました」という書類を作成しないまま生前贈与を行うと、後で受け取った人が「いや、これは生前贈与ではありません」と主張する危険があります。財産をひとつ残らず生前贈与ができればよいのですが、多くのご家庭では一部だけ生前贈与をすることが多いでしょう。残りの財産を分配するときは、当然生前贈与の分を考慮します。しかし、そこで前述のような主張をされると、財産の分配を巡って争いが起こるかもしれません。

4.生前贈与をスムーズに行うコツとは?

では最後に、生前贈与をスムーズに行うコツをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

4-1.中、長期的な計画を立てる

生前贈与は、子どもや孫にお小遣いをあげるように行うものではありません。ですから、生前贈与を行おうと思ったら、まずは仕組みから勉強しましょう。今は、生前贈与をスムーズに行うためのセミナーなども開かれています。

また、銀行などが相談に乗ってくれることもあるでしょう。ですから、まずはそのようなところで知識をたくわえて、計画を立てて行ってください。一定の金額までは非課税という条件の法律でも、送り方によっては課税対象になることもあります。

4-2.生前贈与を行うときは書類を作成する

生前贈与は、送り手と受け手の合意がなければ成立しません。しかし、単に口約束だけならば、後で「合意していない」と主張されればどうしようもなくなります。ですから、生前贈与を行う際は、送り手の氏名と贈与の額、そして確かに受け取りましたという文面を入れた書類を作成し、署名捺印(しょめいなついん)を行いましょう。そうすれば、後でトラブルになることもありません。

4-3.使い道に条件のある贈与は、領収書などを取っておく

2013年に「孫の学費を生前贈与で支払う場合は、税率が軽減される」という法律が施行されました。このように、条件が厳しいシステムを利用したい場合は領収書などを必ず取っておきましょう。「確かに学費に使ったけれど、それを証明するものがない」ということになると、税率が軽減されません。

5.おわりに

いかがでしたか?今回は生前贈与のメリット・デメリットなどをご紹介しました。
まとめると

  • 生前贈与を行うと、条件によっては相続税を払うよりも税金がかからなくなる。
  • 相続税を行うと、遺産相続する際に生じる争いを防げることもある。
  • 不用意に生前贈与を行うとかえって税金がかかる。
  • 中、長期的な計画を立てて行わないと生前贈与はうまくいきにくい。

ということです。「うちには相続させる財産なんてないよ」という方もいるかもしれません。しかし、土地家屋だけでも財産がある場合は配偶者や子どもに生前贈与をさせた方が税率は軽くなることも多いのです。ですから、「うちには関係ない」と思わずに、ある程度の年齢になったら、一度仕組みや軽減税率の割合などを調べてみましょう。後になって「あのとき、生前贈与を行っておけばよかった」と思っても遅いのです。また、いくら肉親でも、贈与をする場合はしっかりと書面に内容を残しておいてください。