事故物件の清掃の真実。特殊清掃でしか除去できないものとは?

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離れて暮らす一人暮らしの親族がいる人にとって、孤独死は他人ごとではありません。孤独死は遺体発見が遅れると、特殊清掃が必要となり、故人が住んでいた部屋は事故物件として扱われます。遺族としては、悲しみもいえない中で、家主や近隣に迷惑をかけないよう早急に対応しなければなりません。この記事では、事故物件の特殊清掃が必要になった場合、どのように対処したらいいか、清掃の内容や業者選びの注意点などを紹介します。

  1. 事故物件とは?
  2. 事故物件の清掃とは
  3. 事故物件の清掃方法
  4. よくある質問

この記事を読むことで、事故物件の清掃について知識を得ることができます。特殊清掃が必要になった場合は参考にしてください。


1.事故物件とは?

事故物件とは、どのような物件のことを言うのか 詳しく見てみましょう。

1-1.事故物件とは何か

不動産物件において、居住者が殺人事件や火災など事件性のある原因で死亡した場合、または、自殺者が出た場合は「事故物件」として扱われます。事件性のない事故や孤独死などによる死亡も事故物件となることがあるのです。たとえば、病死の場合は事件性もなく、通常事故物件にはなりませんが、一人暮らしで遺体の発見が遅れた場合には原状回復が困難となるため、事故物件として扱われることもあります。
事故物件は、「わけあり物件」として、なかなか借り手や買い手がつきません。いくら原状復帰して使用に問題がなくても、「なんとなく気味が悪い」「怖い」などの感情を抱くことが普通です。これを「心理的瑕疵(かし)」=心理的な欠陥がある物件といい、貸し主は借り主に事実を伝える義務があります。
最近多い事故物件は、一人暮らしの老人の孤独死によるものです。病死であっても発見が遅れることで異臭さわぎとなり、事故物件として扱われることがあります。ベッドや布団の中でそのまま亡くなっていたり、バスタブで溺死しているケースもあるのです。

1-2.問題点

事故物件はさまざまな問題を抱えています。詳しく見ていきましょう。

1-2-1.借り主

入居しようとしている部屋が事故物件の場合、告知義務により、契約前に事故物件だと知ることができます。しかし、この告知義務は前入居者についてだけなので、2代前に何かあっても知らされることはありません。事故物件と知らずに入居して、あとになって人づてに聞いて知るケースもあります。事故物件を避けるには、同一エリアの他物件と比べて極端に安い、その部屋だけリフォームされているなど、不審な点がないか、よく調べることが必要です。

1-2-2.貸し主

貸し主にとっては、次の借り手が見つからないこともあるため、損失を被ることがある深刻な問題です。借り手がつかなければ家賃の値引きやリフォーム、外壁の塗装やマンション名を変えるなど、さまざまな方法でイメージチェンジを図る必要に迫られ、経費がかかります。また、孤独死の場合は、遺体の身元引受人が見つからないこともあり、その場合は清掃費用の負担も発生するのです。

1-2-3.その他

周辺住民にとっては、事故物件は迷惑な存在です。悪臭などの被害を感じることもあるでしょう。もし異臭などに気づかなくても、心理的瑕疵(かし)の告知は、賃貸集合住宅の場合は事故があった部屋の上下左右の部屋に告知されます。事故があった事実を知ることで、不安や気持ちの悪い思いをすることもあるでしょう。

2.事故物件の清掃とは

事故の現場は、現場検証や捜査などが終わったら、きれいに清掃して原状回復する必要があります。しかし、現場は通常の掃除では対処できない状態であることが多いため、特別な清掃が必要なのです。

2-1.清掃の必要性

事故物件では、遺体が放置されていたことにより、通常の清掃では対応できない状態になることがよくあります。現場検証や捜査などが終わり、遺体が運び出された後も、体液・血液・汚物とともに強烈な臭いは残り、ウジやハエ・ゴキブリなどの害虫が大量発生していることも珍しくないのです。
このような状態の部屋でも、賃貸物件であれば、次の人が住めるよう、元の状態に復旧しなければなりません。持ち家の場合も、近隣に迷惑をかけないように、汚れや悪臭を除去する必要があります。しかし、こうした汚れや臭いは通常の清掃では除去しきれないため、「特殊清掃」といわれる専門的な清掃が必要となるのです。  

2-1-1.特殊清掃について

特殊清掃とは、孤独死・自殺などにより、体液・血液・汚物などで汚染された部屋の汚れや死臭を除去し、原状回復させる専門的な清掃です。こうした汚れは一般的な清掃では除去することはできません。通常の清掃との一番大きな違いは、臭いの除去にあります。死後数週間が経過した死臭・腐乱臭などは、通常の清掃では消すことができない強烈なものです。そのため、特殊な薬剤を使用した清掃が必要となります。
死臭や腐敗臭は、遺体があった場所の周辺だけでなく、家財道具すべてに染みついてしまうため、遺品整理をしながら、部屋の中をすべてクリーニングする必要があるのです。また、亡くなった方が感染症にかかっていた場合、害虫を媒介に感染症が拡大してしまう可能性もあるため、専門的な知識と除菌処理も必要となります。

2-2.清掃内容

特殊清掃では、以下のような清掃が行われます。

  • 害虫の駆除:腐敗体液の拡散や病原菌の拡散を防ぐために一番初めに行う
  • 死臭元を撤去:遺体があった場所の布団・カーペット・ソファ・畳など腐敗体液が染み込んでいるものを丸ごと撤去
  • 腐敗体液の除去:床や壁など体液が付着している部分をふき取る。狭い隙間に入り込んだ汚れや遺体搬出のときに飛び散ったわずかな汚れも逃さず徹底除去する必要がある
  • 特殊清掃用の消臭・除菌処理:オゾン処理による消臭・除菌
  • 遺品の整理・搬出:カーテン・衣服・その他臭いが染みついている遺品を処分
  • ホコリ清掃:部屋のホコリにも死臭は染みついているため、掃除機や拭き掃除で除去
  • 特殊清掃用の消臭剤散布:片付いた部屋全体に特殊な消臭剤・除菌剤を散布

 2-3.注意点

通常、特殊清掃業者で対応できることは、汚れ・臭いの除去と遺品整理です。フローリングの張り替えや壁紙の貼り替えなどは、リフォーム業者に依頼する必要があります。ファンデックのように、特殊清掃現場でのリフォーム実績のある業者と提携している業者なら、ワンストップで対応してもらえるので便利です。

3.事故物件の清掃方法

事故物件が賃貸である場合、誰に清掃の責任があるのでしょう。その責任と対応の仕方を説明します。

3-1.誰が行うのか

不動産の賃貸契約を結んだ本人が死亡した場合、部屋を原状復帰させる責任があるのは、賃貸契約を交わした時の連帯保証人です。連帯保証人と連絡がとれない場合は、法定相続人である親族が責任を引き継ぐことになります。清掃する際は、貸し主や不動産管理会社と相談の上、どの程度に復帰するか話し合って、専門業者に清掃を依頼しましょう。

3-2.専門業者、プロならではの利点

特殊清掃は、一般的なハウスクリーニングではできない清掃なので、専門業者に依頼するのが賢明です。夏場や長期間遺体が放置されていた部屋など、とても普通の人では立ち入ることができないほど壮絶な現場でも、プロに依頼することで素早く確実に清掃が完了します。
また、特殊清掃は、正しい知識を持って対処しないと、汚染を広げ、周囲に迷惑をかけることにもなりかねません。そのため、使用する薬剤や感染防止、清掃などの知識と技能を持つ「事故現場特殊清掃士」など、専門家による対応が必要となるのです。

3-3.依頼の流れ、料金

特殊清掃を依頼する場合の、一般的な流れを説明します。

  • 問い合わせ:まずは現状をありのままに伝え、相談する。インターネットで無料の相談や見積もりを利用するとよい
  • 見積もり:現場と作業内容を確認し、見積もりを作成
  • 清掃作業:見積もりに納得できたら清掃を依頼する
  • 確認・支払い:清掃後、汚れや臭いが除去できているか確認し、支払いをする

特殊清掃の料金は、遺体発見までの日数や状態によっても異なりますが、一般的な相場として1部屋当たり55,000~500,000円といわれています。遺品整理が必要な場合は、ここに遺品整理の費用が加算されるのです。

3-4.業者選びのポイント

特殊な状況の中、「早く何とかしなければ」と焦る気持ちがあるかもしれませんが、業者選びは冷静に判断することが大切です。特殊清掃は見た目だけでなく、いかに臭いを除去するかが重要なポイントとなります。清掃の仕方も使う薬剤も特殊なため、ファンデックスのように特殊清掃士の資格を持つスタッフがいる業者なら安心でしょう。
料金については、あまりにも安い料金を提示している業者は、「特殊清掃」といいながら、普通の清掃しかできない可能性があるため要注意です。また、逆に高額な料金を提示する業者もあります。適正価格を知るためにも、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。見積もりは金額だけを比較するのではなく、内容もしっかりチェックしましょう。以下に優良業者を見極めるポイントを紹介します。

  • 特殊清掃の実績は豊富か
  • 特殊清掃用の消臭・除菌ができるか
  • 遺品整理・遺品回収も行っているか
  • 特殊清掃士がいるか
  • 見積書の作業内容・料金が明瞭か

4.よくある質問

Q.特殊清掃の費用は誰が負担するのでしょう?
A.賃貸契約であれば契約のときの連帯保証人、もしくは法定相続人です。そのどちらもいない場合は、不動産の持ち主が負担することになります。

Q.特殊清掃ができない場合はあるのでしょうか?
A.はい。法定伝染病、検死で立ち入り制限がされている現場には入ることができないため、制限が解除されるまで清掃をすることができません。

Q.特殊清掃士は国家資格ですか?
A.いいえ。一般社団法人事件現場特殊清掃センターが発行している民間の資格です。特殊清掃を適正価格で安全に行えるよう、専門知識と技能を持った専門家を養成し、行政と連携しながら業界の健全化を目指しています。

Q.一般の清掃業者と特殊清掃業者の違いは何でしょう?
A.一番の違いは、遺体の腐敗体液から出る強烈な死臭を消臭できるかどうかです。普通の消臭剤では対応できない強い臭いなので、専門業者に任せないと残ってしまいます。

Q.作業当日は、立ち会うことができませんが大丈夫でしょうか?
A.一般的に、立ち会いがなくても特殊清掃をすることは可能です。見積もりのときに業者に鍵などを預けるとスムーズでしょう。

まとめ

事故物件の特殊清掃は、いかに死臭を除去できるかがポイントです。遺体発見後は一刻も早く処理をしたいところですが、経験豊富な専門業者に依頼しないと肝心の消臭ができないことがあるため、業者選びは慎重に行いましょう。